漢方大辞典
アテローム性動脈硬化症
2026年8月8日

動脈の内側に、LDLコレステロールなどの脂質、炎症細胞、線維成分、カルシウムなどが蓄積して「プラーク(粥腫)」を形成する状態です。
- 胸の痛み・圧迫感
- 動悸・息切れ
- 片側の手足のしびれ
- ろれつが回らない
- 一時的な視力低下
アテローム性動脈硬化症の主な要因
1. LDLコレステロールの増加
血液中のLDLコレステロールが多い状態が続くと、血管壁に入り込み、酸化などの変化を受けて炎症反応を起こします。
2. 高血圧
血管内皮が傷つきやすくなり、そこから脂質や炎症細胞が入り込みやすくなるため、動脈硬化が進みやすくなります。
3. 糖尿病・インスリン抵抗性
高血糖状態が続くと、血管内皮の機能が低下し、酸化ストレスや炎症などを介して動脈硬化が進みやすくなります。
4. 中性脂肪の増加・脂質異常症
LDLだけでなく、中性脂肪が高い、HDLコレステロールが低い、LDLコレステロールが高いなどの脂質異常も動脈硬化リスクと関連します。
漢方的にみるアテローム性動脈硬化症の主な要因
1. 瘀血(おけつ)タイプ
瘀血=血の巡りが悪く、滞っている状態
- 特徴・症状:手足の冷え、肩こり、頭重感、しびれ、頭痛、顔色が暗い、唇や舌の色が暗い、シミができやすい、月経の血塊
- 養生法:座りっぱなしを避け、こまめに身体を動かす、入浴で身体を温める、冷えを避ける
- おすすめ食材:玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、生姜、青魚、黒豆、黒ごま、海藻類
2. 痰湿(たんしつ)タイプ
身体の水分代謝がうまくいかず、余分な水湿や濁りが蓄積した状態
- 特徴・症状:むくみ、身体が重い、だるい、胃もたれ、体重増加、脂っこいものが苦手、舌苔が厚い
- 養生法:脂っこい料理の摂り過ぎ、甘いものの摂り過ぎ、夜遅い時間の食事、冷たい飲食物の摂り過ぎを控える
- おすすめ食材:大根、白菜、きのこ類、海藻、豆類、はとむぎ、とうもろこし、生姜、ねぎ
3. 気滞タイプ
ストレスや緊張などによって「気」の巡りが悪くなる状態
- 特徴・症状:精神的ストレス、睡眠不足、過緊張、運動不足、自律神経の乱れ
- 養生法:朝日を浴びる、散歩する、深呼吸する、同じ姿勢を長時間続けない
- おすすめ食材:みかん・ゆず・レモンなどの柑橘類、しそ、三つ葉、セロリ、みょうが、生姜、ねぎ、春菊
季節ごとの養生
春(肝を整える季節):春は気の巡りが乱れやすく、ストレスや自律神経の変化が起こりやすい季節
- 特徴:ストレス→気が滞る(気滞)→血の巡りにも影響→瘀血につながりやすい
- 養生法
- 「座りっぱなし」を避けることが大切
- 散歩、深呼吸、入浴、趣味など、自分なりの気分転換を
- おすすめ食材:新玉ねぎ、しそ、三つ葉、春菊、セロリ、柑橘類、ねぎ
夏(炎症と消耗を防ぐ季節):暑さ・脱水・冷え・食べ過ぎに注意
- 特徴:暑さによる気の消耗=気虚、さらに冷たいものや食べ過ぎなどから、痰湿が生じやすいと考えます。
- 養生法
- 水分をこまめに、冷たいものを摂り過ぎない
- 暑い時間帯の激しい運動を避ける
- おすすめ食材:トマト、オクラ、ピーマン、ゴーヤ、豆類・大豆製品
秋(乾燥と回復の季節):夏の疲れを回復し、運動習慣を取り戻す
- 特徴:夏に体力を消耗→気虚→疲れやすい・身体を動かさなくなる→運動不足→血の巡りも滞りやすい
- 養生法
- 睡眠・食事を整え夏の疲れを回復する
- 食欲の秋の食べ過ぎに注意
- おすすめ食材:きのこ類、れんこん、山芋、大豆製品、青魚、秋鮭、野菜類
冬(冷えを防ぎ血流を守る季節):冷えを防ぎ、血管への負担を減らす
- 特徴:寒さ・冷え→身体がこわばる→活動量が減る→血の巡りも滞りやすくなる
- 養生法
- 首・お腹・腰・足を冷やさない
- おすすめ食材:大根、白菜、長ねぎ、生姜、山芋、黒豆、魚、根菜類
一陽館薬局ならではのサポート
アテローム性動脈硬化は、長い時間をかけて進行することが多く、初期には自覚症状がない場合もあります。
西洋医学では、LDLコレステロール、血圧、血糖、中性脂肪、喫煙、肥満、運動不足、加齢などが重要なリスク因子です。
血管は、今日一日の養生だけで変わるものではありません。
毎日の食事、運動、睡眠、ストレス、そして年齢とともに変化する体質。
その一つひとつを見直しながら、少しずつ整えていくことが大切です。
一陽館薬局では、年齢や体質、季節による変化にも寄り添いながら、毎日の養生から身体の土台づくりをサポートします。
アテローム性動脈硬化症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


