漢方大辞典
逆流性食道炎
2026年9月19日

逆流性食道炎は、「胃酸が多いから起こる」とだけ考えると少し見えにくくなります。実際には、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなることが中心で、食道と胃の境目の機能、食道裂孔ヘルニア、食後の姿勢、食事量、体重など、いくつもの要素が関係します。
思春期は、身体の成長に対して自律神経や循環器系の調節が追いつきにくく、発症しやすいとされています。
- 胸やけ
- 酸っぱいものが上がってくる感じ
- みぞおちの不快感
- げっぷ
- 喉の違和感や咳
逆流性食道炎の主な要因
1. 下部食道括約筋の働き
食道と胃の境目には、胃の内容物が食道へ戻らないようにする下部食道括約筋があります。
通常は、食べ物が胃へ入った後、胃の内容物が戻らないように働きますがこの逆流防止機構がうまく働かなくなることがあります。
体内の水分量が少ないと、そもそも血圧を維持するための血液量が不足します。特に夏場や運動後、入浴後などは注意が必要です。
2. 食道裂孔ヘルニア
胃の一部が横隔膜の食道が通る穴から上側へ入り込む食道裂孔ヘルニアがあると、胃と食道の逆流防止機構が乱れ、逆流しやすくなることがあります。
3. 食べ過ぎ・一度にたくさん食べる
胃に大量の食べ物が入ると、胃が大きく膨らみます。胃の内容物が戻りやすくなり逆流することがあります。
4. 脂肪の多い食事
脂肪の多い食事は、人によって逆流症状を悪化させることがあります。
漢方的にみる逆流性食道炎の主な要因
1. 肝胃不和・気滞タイプ
ストレスや緊張などによって「気」の巡りが滞り、胃の働きにも影響すると考えるタイプです。
- 特徴・症状:ストレスがかかると胸やけ、イライラすると胃が痛む、げっぷが多い、胸や喉がつかえる
- 養生法:食事を急がない、深呼吸する、軽く歩く、肩や胸を開く
- おすすめ食材:しそ、三つ葉、春菊、セロリ、生姜、みょうが
2. 胃気上逆タイプ
食べたものやげっぷが「上がってきやすい」方
- 特徴・症状:胸やけ、呑酸、げっぷ、吐き気、喉の違和感
- 養生法:食べ過ぎない、早食いしない、よく噛む、食後すぐ横にならない、夜遅く食べない
- おすすめ食材:お粥、ご飯、山芋、かぼちゃ、にんじん、白身魚、鶏肉、豆腐、卵
3. 脾胃虚弱タイプ
胃腸そのものが疲れやすい方
- 特徴・症状:食欲がない、少量でお腹いっぱい、胃もたれ、食後に眠くなる、疲れやすい、軟便になりやすい
- 養生法:腹八分目を基本にする、温かく消化しやすい食事をとる、よく噛んで、ゆっくり食べる
- おすすめ食材:米、お粥、山芋、かぼちゃ、にんじん、キャベツ、鶏肉、白身魚、卵、豆腐
季節ごとの養生
春(肝を整える季節):「気を巡らせ、胃腸を乱さない」
- 特徴:ストレスや緊張によって胃の不調が出やすい方は、⇒ストレス⇒気の巡りが滞る⇒胃の働きにも影響⇒胸やけ・げっぷがおこりやすい。
- 養生法
- 朝起きる時間を一定にする、軽く歩く
- 新生活で食事時間を乱さない
- おすすめ食材:春キャベツ、菜の花、小松菜、にんじん、白身魚、山芋
夏(炎症と消耗を防ぐ季節):「冷やしすぎ・食べ過ぎ・水分の摂り方に注意」
- 特徴:夏は暑さによって食欲が落ちる一方、冷たい飲み物やアイス、冷たい麺類などが増えやすい季節。
- 養生法
- 冷たいもの・食べ過ぎに注意、暑さの中でも胃腸を守る
- 炎天下での長時間活動を避ける、汗をかいたら水分・電解質を補う
- おすすめ食材:とうもろこし、かぼちゃ、オクラ、枝豆、豆腐、白身魚、山芋
秋(乾燥と回復の季節):「夏の疲れを回復し、乾燥から守る」
- 特徴:秋は、夏の暑さによる疲労が残っている一方、空気が乾燥してきます。胃腸が弱っている方では、夏の食欲低下、胃腸機能の低下、食後の胃もたれ・胸やけがおこりやすい。
- 養生法
- 夏の疲れを残さない、睡眠を確保する
- 温かい食事を増やす、朝晩の冷え対策をする
- おすすめ食材:山芋、れんこん、かぼちゃ、きのこ、白身魚、豆腐、ご飯、梨
冬(冷えを防ぎ血流を守る季節):「冷えを避け、温かく、食べ過ぎない」
- 特徴:冬は活動量が落ち、鍋・お餅・ごちそうなど、食事量が増えやすい季節。
逆流性食道炎では、ごちそうをたくさん食べる⇒お腹いっぱい⇒そのまま横になる⇒夜間の逆流というパターンに注意。 - 養生法
- 温かい食事を中心にする、冷たい飲食物を摂り過ぎない
- 食べ過ぎない、食後すぐ横にならない、お酒の飲み過ぎに注意
- おすすめ食材:大根、にんじん、白菜、山芋、かぼちゃ、黒豆、黒ごま、白身魚、鶏肉、豆腐
一陽館薬局ならではのサポート
逆流性食道炎というと、「胃酸が多いから起こる」と思われがちですが、西洋医学では、胃酸だけでなく、胃と食道の境目にある下部食道括約筋の働きや食道裂孔ヘルニア、食事量、体重、食後の姿勢、就寝時間など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
そのため、胸やけを抑えることだけを考えるのではなく、「なぜ今、逆流が起こりやすくなっているのか」を見つめることが大切です。
一陽館薬局では、漢方的な体質だけを見るのではなく、西洋医学的な病態や治療の必要性を踏まえたうえで、食事・睡眠・ストレス・運動・体重の変化など、その方の生活背景まで含めて考えます。
逆流性食道炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


