夏バテ?それとも貧血?

先日ご来店くださったお客さまが、
「毎年、夏になると、なんとなく身体がだるい、立ちくらみがする」とおっしゃっていました。
そのような症状を「夏バテかな?」と軽く捉えてしまいがちですが、実は“隠れ貧血”であるケースも意外と多いのです。
汗をたくさんかくこの季節は、身体の水分だけでなく、気(エネルギー)や血(けつ)も消耗しがち‥。
特に女性は、生理や出産などで「血」を消耗しやすく、もともと“血不足”傾向の方も多く見受けられます。
こうした状態を「気血両虚(きけつりょうきょ)」や「血虚(けっきょ)」と呼び、夏の不調と深く関わっていると考えます。
漢方でいう「血(けつ)」は、単に“ヘモグロビン”のような物質だけでなく、
🔹 身体を栄養し、潤す
🔸 心や脳の働きを安定させる
といった役割も担っています。
この「血」が不足すると、次のような不調が現れやすくなります。
・めまい・立ちくらみ
・顔色が青白い、唇が色あせる
・動悸・息切れ
・髪がパサつく、肌が乾燥する、爪が割れやすい
・疲れやすい・眠りが浅い
・月経のトラブル(女性)
・めまい、立ちくらみ
夏は、強い日差しと汗によって体力や水分が奪われるうえ、冷たいものの摂りすぎや食欲低下で消化力=脾(ひ)の働きも弱まり、血を作る力が低下しやすいのです。
血は、食べたもの(飲食物)から脾胃(消化器)がしっかり栄養を取り出し、気の力で生成されます。
ところが、夏場は…
・冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎ
・胃腸が冷えて消化機能が低下
・食事量が減って栄養不足
・発汗や睡眠不足によるエネルギー消耗
…などの要因が重なり、「血」がうまく作れなくなってしまうのです。
これが、「血虚(けっきょ)」の状態。
そしてその背景には、脾虚(ひきょ)=胃腸の働きの弱りがあることも多いのです。
漢方では、血虚に対して
・血を補う「補血(ほけつ)」
・胃腸を整える「健脾(けんぴ)」
・気も同時に補う「補気養血(ほきようけつ)」
といったアプローチをとります。
🌿よく使われる処方の一例
・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
・参茸補血丸(さんじょうほけつがん) など
また、生活の中でできる養生としては、
・温かく消化のよい食事(例:スープ、おかゆ、煮物)
・できれば冷たい飲食は控えめに
・睡眠をしっかりとり、血の再生を助ける
・暑さに負けない適度な運動や深呼吸も◎
・リラックスして“肝”をゆるめる(怒り・緊張は血を消耗します)
体のエネルギーや血が消耗されやすい季節だからこそ、「夏は貧血になりやすい」のです。
ただの夏バテや疲れと思わずに、
“もしかすると、血が足りていない状態かもしれない”と気づくことが、夏を元気に過ごすための第一歩です。
一陽館薬局では、あなたの体質や生活に合わせたケアで、内側からの元気をサポートいたします。
「疲れが抜けない」「顔色がすぐれない」そんなときは、ぜひ一度ご相談くださいね。
ご相談をご希望の場合は、電話またはLINEからご予約ください。
営業時間 10:00~18:00
定休日 木・日・祝
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-