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〜見えづらさがもたらす意外な不調〜

「最近、手元の文字がぼやける」「スマホの文字を読むのがつらくなってきた」――そんなサインが現れると、多くの方が「老眼かも」と感じはじめます。加齢とともに誰にでも訪れる変化ですが、意外にも“頭痛”という症状とつながっていることをご存知でしょうか。

老眼になると、目のピント調整機能が衰え、近くのものが見えづらくなります。文字を読むときに目を細めたり、眉間にシワを寄せたりして、無意識のうちに目の周りの筋肉や首肩の筋肉を緊張させてしまいます。このような目の酷使や姿勢の偏りが、慢性的な緊張型頭痛を引き起こす一因になるのです。

また、ピントが合いづらい状態で長時間ものを見ようとすると、脳が情報処理により多くのエネルギーを使うため、結果的に“脳疲労”にもつながります。これが頭重感や締め付けられるような頭痛として現れることもあります。

東洋医学では、「目」は肝(かん)と深い関わりがあるとされています。肝は血(けつ)を蔵し、目に栄養を与えると考えられており、老眼は「肝血不足(かんけつぶそく)」としてとらえられることが多い状態です。肝血が不足すると、目が乾く・かすむ・視力が低下するといった症状のほか、イライラや不眠といった精神的な不調も現れやすくなります。

また、肝は「気(き)」の巡りとも関係が深いため、ストレスや過労で気の流れが滞ると、「気滞(きたい)」と呼ばれる状態になり、頭痛や目の奥の重だるさとして感じられることがあります。特に、眉間や側頭部(こめかみ)がズキズキするような頭痛は、東洋医学的には肝の不調からくることが多いとされています。

老眼からくる頭痛には、単なる視力の問題だけでなく、東洋医学的に見ると「全身のバランスの乱れ」が根底にあります。たとえば、目を酷使して「血」が消耗されれば、肝血不足からの頭痛に。逆に、体の水分代謝が悪く「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる状態になれば、頭が重くぼんやりするようなタイプの頭痛が現れます。

このように、老眼と頭痛は「目の問題」だけではなく、「気血水の調和」という身体全体のバランスの崩れと深く関わっています。漢方では、肝血を補う処方や、気の巡りを良くする処方、ストレスを和らげる処方など、一人ひとりの状態に合わせてアプローチすることが可能です。

年齢とともに変化する体は、私たちに「今、少し休んで」「無理をしすぎないで」と語りかけているのかもしれません。老眼は決して「病気」ではありませんが、見えにくさがきっかけで頭痛や肩こり、不眠などの不調へとつながることもあります。
「見えにくさ」の背景にある身体のバランスの乱れを整えて、心地よい毎日を過ごしていきましょう。

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