漢方大辞典

お肌に関するお悩み

蕁麻疹

2025年12月22日

蕁麻疹は、皮膚にかゆみを伴う赤い膨疹が突然あらわれる疾患で、数分〜数時間で跡を残さず消えるのが特徴です。
急性・慢性の両方があり、再発することもあります。

  • ストレスや疲れがたまると、かゆみや赤みが出やすい
  • アレルギー体質があり、花粉・食べ物・薬などに敏感
  • 胃腸が弱く、食べ過ぎ・飲み過ぎで不調を起こしやすい
  • 冷えや温度差で皮膚症状が出やすい
  • 自律神経の乱れがあり、疲れやすく気分が安定しにくい
  • 舌に白い苔が厚い、または赤くて乾燥している

蕁麻疹の主な要因

1. 食物アレルギー(甲殻類、卵、乳製品、小麦など)

2. 薬剤アレルギー(抗生物質、鎮痛薬など)

3. ウイルス感染(風邪など)

4. 虫刺され、物理的刺激(摩擦、圧迫、寒冷、日光)

漢方的にみる蕁麻疹の主な要因

1. 風邪(ふうじゃ)

・漢方では「かゆみ=風」と考えます。外からの風邪や、体内で生じる「内風」により皮膚の表面にトラブルが出やすくなります。

  • 特徴・症状:かゆみが強く、出たり消えたりしやすい。季節の変わり目やストレスで悪化。
  • 養生法:体に熱をこもらせない、暑いお風呂、長湯は避ける
  • おすすめ食材:しそ(葉・実)、みょうが、ねぎ、生姜(少量・加熱)、大葉、春菊

2.  風熱(ふうねつ)・血熱(けつねつ)

・体に熱がこもり、皮膚に赤みや腫れをもたらします。

  • 特徴・症状:赤みが強い、熱感を伴う、舌が紅く苔黄。
  • 養生法:深呼吸、散歩、軽いストレッチを習慣化、「我慢しすぎない」ことを意識、気分転換・趣味の時間を作る
  • おすすめ食材:きゅうり(加熱)、トマト、なす、緑豆、大根、梨

3.  風湿(ふうしつ)

・体内の「湿」(余分な水分)が皮膚にたまり、むくみやじんましんを悪化させます。

  • 特徴・症状:雨の日・湿度で悪化、重だるい・むくみやすい、症状があちこち移動する
  • 養生法:腰や下腹部を温め、十分な休養をとる、腎を養う食事で体力を補う
  • おすすめ食材:はと麦(ヨクイニン)、小豆、冬瓜、とうもろこし(ひげ茶)、きゅうり(必ず加熱)

4. 脾胃虚弱(ひいきょじゃく) 

・消化吸収が弱く、食べ物や湿気がうまく処理できず「痰湿」となって皮膚症状に出やすくなります。

  • 特徴・症状:ぷっくり腫れる、じゅくじゅく、下痢や軟便を伴うことも。
  • 養生法:胃腸を冷やさない生活、規則正しい生活を心掛ける
  • おすすめ食材:かぼちゃ、山芋、米、大豆、白いんげん豆

季節ごとの養生

春(風の季節):風邪と花粉に注意

  • 特徴:花粉や黄砂など外からの刺激で皮膚トラブルが出やすい、ストレスやイライラも肝気を滞らせ、蕁麻疹が悪化しやすい
  • 養生法
    • 適度な運動や深呼吸で気の巡りを良くする
    • ストレス発散を意識し、過労を避ける
  • おすすめ食材:春キャベツ、菜の花、小松菜、大根、豆腐

夏(心の季節):熱・湿の季節

  • 特徴:汗をかいた後に悪化しやすい、「暑邪」と「湿邪」により、蕁麻疹が赤く腫れて熱感を伴いやすい
  • 養生法
    • 冷たい飲食で汗で消耗しすぎないよう、こまめな水分補給(常温・温かい飲み物)
    • 冷房で直接体を冷やさない
  • おすすめ食材:きゅうり(食べ過ぎ注意)、トマト、冬瓜、なす、緑豆

秋(肺の季節):乾燥の季節

  • 特徴:肺や皮膚のバリア機能が弱まり、かゆみが慢性化しやすい、呼吸器系の不調とも関わりやすい
  • 養生法
    • 加湿や保湿で皮膚の乾燥を防ぐ
    • 深い呼吸を心がけ、肺気を養う
  • おすすめ食材:りんご、白ごま、山芋、れんこん

冬(腎の季節):寒の季節

  • 特徴:入浴や温度変化で蕁麻疹が出やすい、冷えによって慢性化もしやすい
  • 養生法
    • 腰・足首・お腹を温め、血流を促す
    • 冷たい飲食や生ものを控える
  • おすすめ食材:かぼちゃ、人参、白菜、鶏肉

一陽館薬局ならではのサポート

「突然出て、消えて、また繰り返す」という特徴から、周囲に理解されにくく、ご本人にとって大きな不安とストレスを伴う症状です。西洋医学では、アレルギー反応やヒスタミン放出、自律神経の乱れ、慢性炎症などが関与すると考えられていますが、原因が特定できない「慢性蕁麻疹」も少なくありません。近年、慢性蕁麻疹は、自律神経のアンバランス、腸内環境の乱れ、慢性炎症体質との関連が注目されています。

漢方医学では蕁麻疹を、**「風(ふう)」が体表を巡り、そこに熱・湿・血の滞りが絡むことで起こる反応」**と捉えます。つまり、皮膚だけの問題ではなく、体の内側のバランスの乱れが表に現れているサインと考えるのです。特に「疲れると悪化する」「夜にかゆみが強くなる」「天候で左右される」といった訴えは、漢方的に非常に重要な体質判断のポイントです。

蕁麻疹でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。