漢方大辞典
蓄膿症
2025年12月20日

鼻の周囲にある副鼻腔に膿がたまり、慢性的な炎症が起こる状態です。慢性化すると頭痛や顔面の圧迫感、後鼻漏など日常生活に支障をきたすことがあります。
- 風邪や鼻炎を繰り返しやすく、治りにくい
- 鼻づまりや粘り気のある鼻水が長引きやすい
- 花粉症やアレルギー体質を持っている
- 舌に白い苔が厚くつきやすい
- 胃腸が弱く、軟便や消化不良を起こしやすい
- 疲れやストレスで免疫力が落ち、症状が悪化する
蓄膿症の主な要因
1. 風邪やインフルエンザ後の細菌感染
2. アレルギー性鼻炎による粘膜の腫れ
3. 鼻中隔湾曲、ポリープによる鼻腔閉塞
4. 喫煙、大気汚染などの慢性刺激
漢方的にみる子宮筋腫の主な要因
1. 脾虚生痰(ひきょせいたん)タイプ
・脾は、飲食物を消化吸収し、体内の水分代謝を整える役割を担います。過度な甘味・脂っこい食事、冷たい飲食、食べ過ぎ、疲労やストレスが続くと、
脾の運化機能が低下し、水分をうまく処理できなくなります。
その結果、体内に「湿」が生じ、さらに停滞して粘性を帯びると「痰」となります。
- 特徴・症状:白く粘い鼻水、慢性的な鼻づまり、頭重感
- 養生法:長時間同じ姿勢を避け、こまめに体を動かす、下腹部・腰を冷やさない(腹巻・温灸・半身浴)、夜更かしを避け、血を修復する時間を確保
- おすすめ食材:白米(おかゆがおすすめ)、いも類、豆類
2. 湿熱蘊結(しつねつうんけつ)タイプ
・炎症が強く、膿が出るタイプ(慢性細菌感染による炎症状態に近く、抗菌薬で一時的に症状が治まっても、体内の湿熱が残っていると再発しやすいのが特徴)
- 特徴・症状:色〜緑色の膿性鼻汁、鼻や頬の痛み、口の渇き、口臭、微熱感
- 養生法:深呼吸、散歩、軽いストレッチを習慣化、「我慢しすぎない」ことを意識、気分転換・趣味の時間を作る
- おすすめ食材:はと麦、冬瓜、きゅうり(加熱がおすすめ)、緑豆、とうもろこし、小豆
3. 肺気虚・肺陰虚タイプ
・鼻の防御力が弱い状態 ―肺は外界からの邪(風邪・ウイルス・花粉)を防ぐ臓腑です。肺の気が不足すると、鼻粘膜の防御力が低下し、感染や炎症を繰り返しやすくなります。
- 特徴・症状:鼻や喉の乾燥、粘膜が荒れやすい、痰が切れにくい、風邪をひきやすい、鼻炎やアレルギー体質、声がかすれやすい
- 養生法:腰や下腹部を温め、十分な休養をとる、腎を養う食事で体力を補う
- おすすめ食材:黒きくらげ、なつめ、クコの実、レバー(体質に合う方)、黒豆、黒ごま
4. 肝気鬱結(かんきうっけつ)
・長期的な精神的ストレスは、気の巡りを司る「肝」の働きを停滞させます。気の流れが滞ることで、痰や湿の排出が妨げられ、蓄膿症が長引きやすくなります。
- 特徴・症状:鼻づまりが時間帯や気分で変わる、天候や気圧で悪化する、頭が重い、目が疲れやすい
- 養生法:無理をしない生活リズム、睡眠の質を最優先、足腰を冷やさない
- おすすめ食材:肝の緊張をゆるめる→みかん、柚子、レモン、陳皮(みかんの皮)、紫蘇、三つ葉、セロリ、春菊
季節ごとの養生
春(肝の季節):風邪と花粉に注意
- 特徴:春は「肝」が活発になり、気の巡りが乱れやすい季節。同時に風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が悪化しやすくなります。
- 養生法
- 花粉症対策を早めに行い、外出時はマスクや眼鏡で防御
- 軽い運動や深呼吸、十分な睡眠で肝の緊張を和らげる
- おすすめ食材:香りのある食材で“巡り”を改善→ しそ、セロリ、三つ葉、柑橘類、ねぎ、みょうが
免疫バランスを整える→しめじ・エリンギ
肝血を補う→ほうれん草、レバー、黒ごま、黒豆
夏(心の季節):脾と湿熱の季節
- 特徴:冷たい飲食の摂りすぎは脾を弱らせ、かえって痰と膿を増やしてしまいます。冷房による冷えも、鼻や副鼻腔の血流を悪化させます。
- 養生法
- 冷たい飲食で汗で消耗しすぎないよう、こまめな水分補給(常温・温かい飲み物)
- 冷房対策をし、腹部・腰・足元を冷やさないこと
- おすすめ食材:体にこもった湿熱を穏やかに外へ出す→はと麦、冬瓜、とうもろこし、緑豆
秋(肺の季節):肺と乾燥の季節
- 特徴:秋は空気が乾燥し、肺と鼻粘膜が弱りやすい季節。鼻の奥の乾燥感、痰の切れにくさ、慢性化した慢性化した蓄膿症の再燃が起こりやすくなります。
- 養生法
- 加湿器や蒸しタオルで鼻やのどの乾燥を防ぐ
- 深い呼吸を心がけ、肺気を養う
- おすすめ食材:黒きくらげ、れんこん、なつめ、クコの実、ごま、山芋血を補う→クコの実、ほうれん草
冬(腎の季節):腎と免疫の季節
「腎」を養う季節であり、体力と免疫力の基盤を作る時期です。腎が弱ると、慢性的な蓄膿症が治りにくく、風邪を引くたびに再発します。冷えは鼻・副鼻腔の血流を悪化させ、排膿力を低下させるため、特に注意が必要です。
- 特徴:冬は「寒邪」によって血流が滞り、慢性的な鼻づまりや痛みが出やすくなります。腎の働きと体の温めが重要です。
- 養生法
- 湯たんぽや蒸しタオルで鼻や頬を温め、血行を促す
- マスクやマフラーで冷たい空気を直接吸い込まない
- おすすめ食材:生姜、ねぎ、にんにく、黒豆、羊肉
一陽館薬局ならではのサポート
蓄膿症は正式には慢性副鼻腔炎と呼ばれ、鼻の奥にある副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)に炎症が3か月以上続く状態を指します。
副鼻腔内に膿や粘り気の強い分泌物がたまり、排出されにくくなることで、さまざまな症状が慢性化します。
細菌・ウイルス感染やポリープ(鼻茸)、アレルギー性鼻炎による浮腫副鼻腔の排泄障害等原因も様々。西洋医学では炎症を抑える・菌を減らすことは得意ですが、なぜ炎症が長引くのか、なぜ排出力が弱いのか、体質や免疫の弱りといった点までは十分にカバーしきれないことがあります。この部分を補う視点として、漢方医学による体質改善・免疫調整・粘膜環境の立て直しが注目されています。さらに一陽館薬局では、西洋医学で重要とされる「粘膜機能」「線毛運動」「免疫力」にも着目し、
✔ 冷えやすい方には温活の工夫
✔ 胃腸が弱い方には食養生の具体的なアドバイス
✔ ストレスで悪化する方には自律神経を整える視点
✔ 季節ごとの過ごし方・養生
まで含めた日常生活のサポートも行っています。
蓄膿症は、「鼻だけ治す」だけでは改善しにくい症状です。
一陽館薬局では、漢方で治る力を底上げし、長引く不調や繰り返す症状に寄り添います。
蓄膿症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。


