漢方大辞典
子宮筋腫
2025年12月19日

子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、多くの女性にみられる疾患です。
大きさや数によって症状は異なり、月経過多・貧血・下腹部の張り・頻尿や便秘など日常生活に影響することも少なくありません。
「月経量が多くて生活がつらい」
「貧血で疲れやすい」
「手術以外の方法で少しでも改善したい」
そんな思いを持ってご来局される方が多くいらっしゃいます。
- 生理痛が強く、経血に血の塊が混じる
- 生理周期が乱れやすい
- 下半身の冷えや足の冷えが強い
- 肩こりや頭痛が多い
- 胸や脇が張る感じがある
- 疲れやすく、手足がむくみやすい
子宮筋腫の主な要因
1. 女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の影響
子宮筋腫はエストロゲン依存性腫瘍とされ、エストロゲンが分泌されている期間に発生・増大しやすい特徴があります。
2. 遺伝的要因
母親や姉妹に子宮筋腫がある場合、発症リスクが高くなることが知られており、筋腫細胞特有の遺伝子変異が関与していると考えられています。
3. 生活習慣や代謝の影響
肥満は脂肪組織からエストロゲンが産生されるため、体内のエストロゲン量が増え、筋腫の発生・増大リスクを高めます。
4. 慢性的な炎症や血流障害
骨盤内の血流が滞ることで、局所的に栄養やホルモンが過剰に供給され、筋腫の成長を助長する可能性があります。
漢方的にみる子宮筋腫の主な要因
漢方では、子宮筋腫は単なる「できもの」ではなく、血の巡り、気の流れ、冷え、水分代謝、体の土台、これらの不調が長年積み重なった結果です
1. 瘀血(おけつ)タイプ
・血の巡りが悪くなり、子宮内に古い血が滞った状態で、子宮筋腫の多くは、この瘀血が土台にあります。
- 特徴・症状:生理痛が強い、経血に黒っぽい血や血の塊が混じる、生理前後に下腹部が張る・重い、肩こり・頭痛・腰痛が慢性的、舌が暗赤色、紫がかる
- 養生法:長時間同じ姿勢を避け、こまめに体を動かす、下腹部・腰を冷やさない(腹巻・温灸・半身浴)、夜更かしを避け、血を修復する時間を確保
- おすすめ食材:玉ねぎ、にら、黒きくらげ、なす、紅花茶、青魚、黒酢(体質に合う方のみ)
2. 気滞タイプ
・気の流れが滞り、血を動かす力が弱くなった状態で、現代女性に非常に多いタイプです。
- 特徴・症状:胸や脇が張る、生理前にイライラ・落ち込みが強い、生理周期が乱れやすい、お腹が張りやすい、溜め息が多い
- 養生法:深呼吸、散歩、軽いストレッチを習慣化、「我慢しすぎない」ことを意識、気分転換・趣味の時間を作る
- おすすめ食材:柑橘類(少量)、しそ、三つ葉、ジャスミン茶、香味野菜
3. 寒凝血瘀(かんぎょうけつお)タイプ
・寒さによって血の巡りが滞り、痛みやしこりを生む状態です。
寒は収縮させ、血流を鈍らせる性質があり、これが長く続くと血が固まり、瘀血を形成します。
- 特徴・症状:下腹部・腰・関節の刺すような固定痛、冷えると痛みが悪化、温めると楽になる、生理痛が強く、経血に黒く大きな塊、手足・下腹部の冷え、顔色が暗い、唇が紫がかる、舌が暗紫色、瘀点がある
- 養生法:腰や下腹部を温め、十分な休養をとる、腎を養う食事で体力を補う
- おすすめ食材:黒きくらげ、なつめ、クコの実、レバー(体質に合う方)、黒豆、黒ごま
4. 腎虚(じんきょ)タイプ
・成長・発育・生殖・老化・ホルモンバランスを司る、女性の根本的な臓腑で、子宮や卵巣の働きとも深く関係しています。
- 特徴・症状:出産や加齢で腎の働きが弱まると、血をコントロールできず瘀血や腫瘤ができやすい、腰や膝のだるさ、耳鳴り、夜間尿、冷えやすい、年齢とともに筋腫が増大、疲れやすい、腰がだるい
- 養生法:無理をしない生活リズム、睡眠の質を最優先、足腰を冷やさない
- おすすめ食材:黒豆、黒ごま、くるみ、山芋、なつめ
季節ごとの養生
春(肝の季節):肝を整え、巡りを良くする
- 特徴:この時期にストレスが重なると、肝の働きが乱れ、血流が滞りやすくなり、瘀血が悪化しやすい。
- 養生法
- イライラを溜めない工夫、酸味で肝を柔らげる、ストレスコントロールが非常に重要
- おすすめ食材:香りのある食材で“巡り”を改善→ しそ、セロリ、三つ葉、柑橘類、パクチー
免疫バランスを整える→しめじ・エリンギ
肝血を補う→ほうれん草、レバー、黒ごま、黒豆
夏(心の季節):血を消耗させず、冷やしすぎない
- 特徴:夏は体に熱がこもりやすく、汗とともに「血」や「気」が消耗されやすい季節。夏バテや自律神経の乱れはホルモン分泌や子宮血流に影響を与えるとされています。
- 養生法
- 冷たい飲食で汗で消耗しすぎないよう、こまめな水分補給(常温・温かい飲み物)
- 冷房対策をし、腹部・腰・足元を冷やさないこと
- おすすめ食材:生姜入りスープ、とうもろこし、かぼちゃ、鶏肉、エビ、温かいお茶(ほうじ茶・紅茶)
体内の熱を取る→きゅうり、トマト、なす
血を補う→黒豆、黒きくらげ
心火を鎮める→れんこん、百合根
秋(肺の季節):血を養い、回復力を高める
- 特徴:乾燥は体内の潤いだけでなく、血の質の低下や巡りの悪化につながります。
- 養生法
- 血を養い、体を内側から整える食養生を意識する
- 乾燥対策と冷え対策を同時に
- おすすめ食材:黒きくらげ、れんこん、なつめ、クコの実、ごま、山芋血を補う→クコの実、黒きくらげ、ほうれん草
冬(腎の季節):腎を養い、筋腫の土台を整える
成長・発育・生殖・老化・ホルモンバランスを司る、女性の根本的な臓腑で、子宮や卵巣の働きとも深く関係しています。
- 特徴:寒凝血瘀が最も悪化しやすい季節。この時期の過ごし方が、翌年の症状を左右します
- 養生法
- 特に下腹部と腰を温めることは、子宮血流を守るうえで非常に重要
- 睡眠と休養を十分にとり、気血を養う
- おすすめ食材:根菜類、生姜、黒酢、黒豆、クルミ、長芋、にんにく
一陽館薬局ならではのサポート
子宮筋腫は、30代後半から40代以降の女性に多く見られる良性腫瘍であり、過多月経、月経痛、貧血、下腹部の張り、腰痛、不妊など、日常生活の質を大きく左右する症状を引き起こすことがあります。
西洋医学では、子宮筋腫は女性ホルモン(特にエストロゲン)の影響を受けて増大することが知られており、治療としては経過観察、ホルモン療法、手術などが選択されます。しかし実際には、「手術を避けたい」「閉経まで何とか付き合いたい」「症状を少しでも楽にしたい」という思いを抱えながら、不安の中で過ごしている方が非常に多いのが現状です。
一陽館薬局では、そうしたお気持ちに寄り添いながら、“筋腫そのもの”だけでなく、“筋腫ができやすい体質・環境”に目を向けることを大切にしています。
漢方が捉える子宮筋腫 ― 体質の歪みの積み重ね ―
漢方医学では、子宮筋腫は単なる「できもの」ではなく、
**血の滞り(瘀血)**を中心に、冷え(寒)・余分な水分や老廃物(痰湿)・気の巡りの停滞(気滞)といった体質的な歪みが、長年かけて積み重なった結果と考えます。
特に多いのが、冷えやすく、下腹部・腰が冷たい、生理痛が強く、血の塊が出る、生理周期が乱れやすい、ストレスを溜め込みやすい、疲れやすく、回復力が弱い
といったサインです。
これらは、血流やホルモンバランス、自律神経の乱れとも深く関係しており、西洋医学的に見ても、骨盤内血流の低下、慢性的な炎症、ホルモン代謝の偏りが
筋腫の増大や症状悪化に関与していると考えられています。
一陽館薬局では、これまでの経過をもとに丁寧に整理し、その方の体に合った改善の方向性を一緒に見つけていきます。
これは、長年多くの婦人科トラブルに向き合ってきた一陽館薬局だからこそできる、「体質を見抜く力」に基づいたサポートです。
子宮筋腫でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。


