漢方大辞典

髪のお悩み

円形脱毛症

2025年12月6日

円形脱毛症は、毛根を攻撃する自己免疫反応や、自律神経の乱れによって起こると考えられています。

  • 急なストレスや精神的ショックを受けやすい
  • 免疫力が低下しやすく、風邪や体調不良を繰り返す
  • 気力がわかず、倦怠感が強い
  • 甲状腺の異常やホルモンバランスの乱れがある
  • 髪の毛が抜けやすく、ハリやコシがなくなる
  • 手足や顔の冷えを感じやすい

円形脱毛症の主な要因

1.精神的ストレス

急な環境変化、緊張、心労などは、円形脱毛症引き起こす大きな要因となりやすい。

2. 自己免疫反応

自己免疫の過剰反応や自律神経の乱れによって毛包が攻撃され、発症の要因となる事がある。

3.ホルモンバランスの乱れ

特に甲状腺や副腎の働きの乱れが、発症の原因になりやすい。

4. 血流障害による毛母細胞の栄養不足

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漢方では、円形脱毛症は「肝・腎・気血」のバランスの乱れが関与すると考えます。

1. 肝血不足(かんけつぶそく)

・漢方では「肝は血を蔵し、髪を栄養する」とされます。肝血が不足すると毛根への滋養が足りず、髪が細く抜けやすくなります。
特に過労・睡眠不足・慢性的な月経過多などで血が消耗しやすい女性に多い傾向。

  • 特徴・症状:顔色や唇の色が淡い、爪がもろい、めまい、目の疲れ
  • 養生法:睡眠を最優先に→肝は夜に血を回収し、再生します。特に 23時〜1時 は「肝のゴールデンタイム」
        肝は「目」と密接に関係→目を酷使すると肝血を大きく消耗します→目の周りを温めるホットタオルが有効
  • おすすめ食材:黒ごま、黒豆、黒きくらげ、レバー(鶏・豚)⇒ ※鉄分の宝庫、ほうれん草、小松菜、卵黄

2. 肝気鬱結(かんきうっけつ)

・ストレスや感情の抑圧で「肝の疏泄機能(流れを整える働き)」が滞り、気血の流れが悪化。頭皮の毛根への栄養供給が阻害されます。
円形脱毛症の急性発症型に多い。

  • 特徴・症状:イライラ、胸や脇が張る、ため息が多い、睡眠が浅く夢が多い
  • 養生法:ストレスをためない、首・肩まわりの緊張をほどく、頭皮ケア(ストレスで毛細血管が縮むため)
  • おすすめ食材:しそ、三つ葉、春菊、レモン、柑橘類(皮や香りが良いものが特に◎)、生姜、青魚(EPA・DHA)

3. 気血両虚(きけつりょうきょ)

・「気」は血を生み、「血」は気を運ぶ。どちらも不足すると毛根の再生力が落ち、髪が生えにくくなります。
出産後・大病後・慢性疲労の人に多い。

  • 特徴・症状:倦怠感、息切れ、食欲不振、顔色が白い、立ちくらみ
  • 養生法:腰や下腹部を温め、十分な休養をとる、腎を養う食事で体力を補う
  • おすすめ食材:黒ゴマ、黒豆、クコの実、羊肉、海藻類(わかめ、ひじき)、くるみ、ナッツ類

4. 腎精不足(じんせいぶそく)

・漢方の「腎」は髪の生長・色つやの源。腎精が不足すると髪が細くなり、抜けやすく、白髪も増えます。
慢性的な円形脱毛症、再発を繰り返すタイプに多い。

  • 特徴・症状:腰や膝がだるい、耳鳴り、物忘れ、性機能低下、髪がパサつく
  • 養生法:温かく消化の良い食事を心がけ、軽い運動で気血の巡りを促す
  • おすすめ食材:山芋、かぼちゃ、大豆製品、鶏肉、根菜類(にんじん、レンコン、ゴボウ)、はと麦

季節ごとの養生

春(肝の季節):ストレスや感情が高ぶる季節

  • 特徴:春は「肝」が最も影響し、ストレス・自律神経の乱れにより円形脱毛症が悪化しやすい季節。
  •    ・イライラ・気分の波
       ・自律神経の過緊張
       ・肩こり・頭皮の血行不良
       ・アレルギー症状の悪化(免疫の暴走)

  • 養生法
    • 髪の毛根の血流を増やす(温かいタオルで頭皮を温める、顔のリフトアップを兼ねた頭皮マッサージ
  • おすすめ食材:香りのある食材で“巡り”を改善→ しそ、セロリ、三つ葉、柑橘類、パクチー
           免疫バランスを整える→しめじ・エリンギ
           肝血を補う→ほうれん草、レバー、黒ごま、黒豆

夏(心の季節):水分コントロール

  • 特徴:夏は「心(しん)」と「血液循環」「水分代謝」が乱れやすく、脱水・睡眠不足・炎症が円形脱毛症を悪化させやすい季節。
  •    ・発汗→血液が濃くなる
       ・心拍数↑ → 自律神経乱れ
       ・頭皮の炎症

  • 養生法
    • 脱水を防ぎ、血流を保つ→軽い塩分+ミネラル入りの水、水分は“こまめに”で一気飲みしない
    • 頭皮の炎症を抑える→紫外線対策(帽子、日傘)、汗はそのままにせず早めにシャワー
  • おすすめ食材:水分補給→ハトムギ茶、麦茶、スイカ
           体内の熱を取る→きゅうり、トマト、なす
           血を補う→黒豆、黒きくらげ
           心火を鎮める→れんこん、百合根

秋(肺の季節):乾燥対策と代謝アップが鍵

  • 特徴:秋は乾燥が強く、血や陰液が不足しやすい時期。髪や肌も乾燥しやすく、抜けやすくなることがあります。
       ・のど・肌・頭皮の乾燥
       ・免疫バランスの乱れ
       ・呼吸が浅くなる → 自律神経不調
  • 養生法
    • 乾燥対策→湿度40〜60%を意識、頭皮を保湿
    • 睡眠・休養を意識し、過労やストレスを避ける
  • おすすめ食材:白い食材→れんこん、白きくらげ、梨、百合根
           髪の栄養→黒ごま、松の実
           血を補う→クコの実、黒きくらげ、ほうれん草
           オメガ3→青魚、亜麻仁油(頭皮の炎症を抑える)

冬(腎の季節):「冷え」による循環の弱りに注意

  • 特徴:冬は「腎」が弱りやすく、腎精(髪を養うエネルギー)が不足すると、脱毛が進行しやすくなる季節。
       ・冷えによる頭皮の血流低下
       ・寒さによるストレス増
       ・免疫反応の過敏化
       ・皮膚の乾燥
  • 養生法
    • 髪を育てるホルモンは夜に分泌→22〜24時に入眠がベスト、寝る90分前の入浴で自律神経を整える
      夜のスマホは“脳の気”を消耗 → 脱毛悪化要因
    • 過労を避け、ゆったりとした生活リズムを心がける
    • 足元と腰の保温(腎を守る)→ 下半身の冷えは代謝低下を招く
  • おすすめ食材:生姜、黒酢、黒豆、クルミ、長芋、にんにく

一陽館薬局ならではのサポート

円形脱毛症は、突然髪の一部が抜けてしまうため、心にも大きな負担がかかる疾患です。西洋医学では、自己免疫の異常やストレスによる自律神経の乱れ、頭皮の血流低下などが原因として挙げられます。一方で漢方医学では、ストレスで「肝」の働きが滞ったり、気血が不足したり、頭皮への栄養が行き届かないこと等が関わると考えます。
私たちは、お客様の体調や生活習慣、睡眠、冷え、ストレスの受けやすさ、胃腸の働きまで細かくお聞きし、円形脱毛症を引き起こしやすい体質の偏りを丁寧に見きわめます。これは、医学的な自律神経・免疫・血行の状態を把握しながら、漢方でいう「気血水」「虚実」「寒熱」のバランスまで同時に読み取る、大切なプロセスです。

体質を見極めたうえで、髪を育てる“土台”となる身体づくり を中心に、漢方処方を組み立てていきます。
ストレスが強く肝の働きが滞る方には、気を巡らせる処方を。
疲れやすく、髪の原料となる「血」が不足している方には、気血をしっかり補う処方を。
冷えや血行不良が強い方には、巡りを整え頭皮の血流を改善する処方を。

また、一陽館薬局は 「再発を防ぐ」サポートにも力を入れている のが大きな特徴です。円形脱毛症は再発しやすく、季節の変化や疲労、ストレスで悪化しやすいため、私たちは漢方だけでなく、頭皮環境や睡眠、食事、ストレス管理など、生活面の整え方まで丁寧にアドバイスしています。

円形脱毛症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。