漢方大辞典

お肌に関するお悩み

アトピー性皮膚炎

2026年4月14日

アトピー性皮膚炎 は、単なる皮膚のトラブルではなく、体の内外のバランスが関与する慢性炎症性疾患です。

  • 睡眠不足や不規則な生活が続きやすい
  • 胃腸が弱く、食べ過ぎ・飲み過ぎで不調を起こしやすい
  • 甘い物・脂っこい物・辛い物を好む
  • 便秘がち、または熱っぽく口が渇きやすい
  • 舌が赤い、または白い苔が厚くついている

アトピー性皮膚炎の主な要因

1. 遺伝的要因

家族にアトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患がある場合、アトピー性皮膚炎を発症するリスクが高くなります。

2. 免疫系の異常

体の免疫系が環境からの刺激(アレルゲン)に過敏に反応し、炎症を引き起こします。

3. 環境因子

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な素因を持っている人が環境因子に曝されることによって発症または悪化します。環境因子には以下のようなものがあります。
・アレルゲン(ダニ、花粉、ペットの毛、カビなど)
・乾燥した空気や寒暖差
・ストレス
・化学物質(香料や洗剤など)
・食物アレルギー(特に乳製品や卵などがアレルギー反応を引き起こすことがあります)

4. 炎症の慢性化

粘膜のターンオーバーが低下し、修復が遅れ、炎症が起こりやすくなる

漢方的にみるアトピー性皮膚炎の主な要因

1. 血熱タイプ

  • 特徴・症状:肌が赤く熱を持ち、かゆみが強く、掻くと出血。夜間に悪化しやすい。
  • 養生法:熱をこもらせない(入浴はぬるめ)、紫外線・摩擦を避ける、興奮・ストレスを抑える
  • おすすめ食材:緑黄色野菜、きゅうり、トマト、苦味野菜

2.  湿熱タイプ

  • 特徴・症状:体が重だるい、尿が濃い・少ない、舌に黄色い苔
  • 養生法:汗はこまめに拭く、皮膚を清潔に保つ、湿気の多い環境を避ける
  • おすすめ食材:はとむぎ、小豆、冬瓜

3.  血虚風燥タイプ

  • 特徴・症状:肌が乾燥し、粉を吹きやすい、慢性的なかゆみ、冬に悪化しやすい
  • 養生法:保湿徹底(最重要)、睡眠をしっかり取る、目や体の使いすぎを防ぐ
  • おすすめ食材:黒ごま、なつめ、ほうれん草

4. 脾虚タイプ

  • 特徴・症状:繰り返す、だるい・むくみ、食後に悪化
  • 養生法:食べ過ぎない、規則正しい食事、胃腸を休ませる
  • おすすめ食材:山芋、米類、生姜

季節ごとの養生

春(肝の季節):「風+アレルゲン+自律神経の乱れ」

  • 特徴:かゆみ増強、赤み・炎症悪化、花粉などの影響
  • 養生法
    • 花粉対策(洗顔・衣類管理)、ストレスケア(自律神経安定)
    • 軽い運動で血流改善
  • おすすめ食材:しそ・春菊(気を巡らせる)、菜の花(熱を冷ます)、緑茶(抗炎症・抗アレルギー)

夏(心の季節):「汗・湿気・皮脂」

  • 特徴:ジュクジュク、かゆみ増加、あせも様悪化
  • 養生法
    • 冷たい飲み物のとりすぎは脾胃を弱らせるので注意
    • 十分な睡眠と休養で「心」を安定させる
  • おすすめ食材:はとむぎ(水はけ改善)、きゅうり・冬瓜(清熱利湿)、小豆(余分な水分排出)

秋(肺の季節):「バリア機能低下」

  • 特徴:乾燥・かゆみ、軽い炎症再燃
  • 養生法
    • 加湿器や濡れタオルで室内の乾燥を防ぐ
    • 刺激の少ないスキンケア
  • おすすめ食材:白きくらげ(潤い補給)、梨(肺を潤す)、はちみつ(乾燥対策)

冬(腎の季節):「乾燥+冷え」

  • 特徴:ひび割れ・強い乾燥、慢性化
  • 養生法
    • 入浴後すぐ保湿、体を温める、睡眠をしっかり取る
    • 冷たい食べ物や過度の水分摂取を避け、体を冷やさない
  • おすすめ食材:黒ごま(血・腎を補う)、くるみ(潤い+温め)、根菜類(体を温める)

一陽館薬局ならではのサポート

アトピー性皮膚炎は、単なる皮膚のトラブルではなく、皮膚のバリア機能の低下と免疫バランスの乱れが複雑に関与する慢性炎症性疾患です。

皮膚バリアの脆弱化に加え、免疫反応の過剰、さらには慢性的な炎症の持続が症状の背景にあるとも考えられています。
また近年では、「腸内環境」や「ストレス(自律神経)」が皮膚状態に影響を与えることも明らかになってきました。

たとえば、皮膚のバリア機能は外から保湿するだけでなく、体の内側からしっかりと栄養が届き、血流が保たれてこそ維持されます。
消化吸収機能が低下していれば、必要な栄養は十分に行き渡らず、結果として皮膚の回復力も低下してしまいます。

また、免疫の過剰反応も単に抑えるのではなく、腸内環境や自律神経の状態を整えることで、“過敏に反応しにくい体”へと導くことが重要になります。

こうした視点から、消化吸収機能を高めるケア、気血の巡りを整える調整、そしてストレスによる影響をやわらげるサポートを組み合わせ、
皮膚が本来持つ回復力を引き出していきます。

さらに、アトピー性皮膚炎は、赤みや炎症が強いタイプ、ジュクジュクと湿がこもるタイプ、乾燥が中心のタイプ、体質的に繰り返すタイプなど、同じ疾患名でも背景は大きく異なります。

症状を一時的に抑えるだけでなく、
「なぜ繰り返すのか」「なぜ今悪化しているのか」に目を向け、体の内側から整えていくこと。
それが、一陽館薬局ならではのアトピー性皮膚炎へのサポートです。

アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。