漢方大辞典
多汗症
2026年7月11日

多汗症は、体温調節に必要な量を超えて汗をかく状態を指します。
汗は本来、体温を一定に保つために重要な働きをしていますが、多汗症では必要以上に発汗することで、日常生活や精神的な負担につながることがあります。
- 緊張すると汗が滴る
- 靴下が濡れる
- においが気になる
- 人前に出ることが苦痛になる
多汗症の主な要因
1. 自律神経(交感神経)の過剰な働き
暑い、運動、緊張などで発汗しますが、多汗症では交感神経が過敏になり、必要以上に汗腺が刺激されます。
2. 精神的ストレス
ストレスにより交感神経→アドレナリン分泌→汗腺刺激となります。
3. 肥満
皮下脂肪が熱を逃がしにくく、汗をかきやすくなります。
4. 糖尿病
血糖変動や自律神経障害でも発汗異常が起こります。
漢方的にみる多汗症の主な要因
1. 気虚タイプ
気虚になると衛気が弱くなり、汗を調節する力が低下するため、少し動いただけでも汗が漏れ出てしまいます。
- 特徴・症状:少し動いただけで汗、疲れやすい、風邪をひきやすい、息切れ、声が小さい
- 養生法:十分な睡眠で体力を回復させる、軽いウォーキングで気を補う
- おすすめ食材:山芋、かぼちゃ、大豆、鶏肉、米、長芋、なつめ、しいたけ
2. 陰虚タイプ
陰が不足すると体を冷ます力が弱くなり、「虚熱」が生じ、寝汗やほてり、多汗が起こります。
- 特徴・症状:寝汗、のぼせ、手足のほてり、口が渇く、不眠、微熱
- 養生法:夜更かしを避ける、十分な睡眠をとる、過度な運動は避ける
- おすすめ食材:豆腐、白きくらげ、梨、百合根、れんこん、豆乳、山芋、ごま
3. 湿熱タイプ
湿と熱が体内に停滞し、汗がベタつきやすく臭いも強くなるタイプです。
- 特徴・症状:ベタベタした汗、わき汗が多い、体臭が強い、顔が赤い、のどが渇く、口が苦い
- 養生法:甘いものを控える、軽い運動で汗をかく、規則正しい生活
- おすすめ食材:はとむぎ、きゅうり、冬瓜、トマト、セロリ、緑豆、大根
4. 肝鬱化火タイプ
精神的緊張で顔や頭から大量の汗が出ます。
- 特徴・症状:緊張すると汗が出る、顔汗、頭汗、イライラ、怒りっぽい、肩こり
- 養生法:深呼吸、趣味の時間、十分な睡眠
- おすすめ食材:春菊、セロリ、三つ葉、しそ、柑橘類、ジャスミン茶
季節ごとの養生
春(風の季節):「巡らせる」ことが最優先
- 特徴:春は「肝」が活発になる季節で、自律神経が乱れやすく、ストレスによる発汗が増えやすくなります。
- 養生法
- 朝日を浴びる、軽いウォーキング
- ストレッチ、深呼吸
- おすすめ食材:菜の花、春菊、三つ葉、しそ、新玉ねぎ、柑橘類
夏(心の季節):休ませる・冷ましすぎない
- 特徴:夏は暑邪によって発汗が増え、「気」と「津液(体液)」を消耗しやすい季節です。
- 養生法
- こまめな水分補給
- 冷たいものを控え胃腸をいたわる
- おすすめ食材:オクラ、モロヘイヤ、枝豆、豆腐、山芋、鶏肉
秋(肺の季節):潤して整える
- 特徴:秋は乾燥が進み、体液不足による寝汗やほてりが現れやすくなります。
- 養生法
- 加湿を心がける
- 肺を潤す食事を意識する
- おすすめ食材:梨、白きくらげ、れんこん、百合根、山芋、はちみつ
冬(腎の季節):温めて蓄える
- 特徴:冬は冷えにより血流が悪くなり、自律神経のバランスも崩れやすい季節です。一方、暖房による乾燥で寝汗が目立つ方もいます。
- 養生法
- 下半身を冷やさない、湯船にゆっくり浸かる
- 十分な休養、軽いストレッチで血流を促す
- おすすめ食材:生姜、にら、長ねぎ、ごぼう、にんじん、黒豆、黒ごま、鮭
一陽館薬局ならではのサポート
多汗症は、「汗をかきやすい体質だから仕方がない」と思われがちですが、実際には自律神経やホルモンバランス、免疫機能、栄養状態、精神的ストレスなどが複雑に関わる全身の不調として考えることが大切です。
西洋医学では、多汗症は交感神経の過剰な働きによって汗腺が必要以上に刺激されることが主な原因とされています。また、更年期に伴うホルモンバランスの変化、甲状腺疾患、糖尿病、自律神経の乱れ、精神的ストレスなどが背景にある場合もあり、原因を見極めることが重要です。
「人前で汗が気になってしまう」「汗のせいで毎日がつらい」「何をしても改善しない」とお悩みの方も、一人で抱え込まずにご相談ください。
一人おひとりの生活背景や体質に寄り添ったサポートで、快適な毎日を目指してお手伝いいたします。
多汗症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。


