かくれ脱水
脱水症は進行するまで、症状がわかりにくいのが特徴的です。
脱水症になりかけているのに、本人や周囲がそれに気づかないため、効果的な対策が取れていない状態を「かくれ脱水」と呼びます。
実は「かくれ脱水」になっているのに、気づかないままに放っておかれることが多かったのです。
医者にかかる脱水症の患者さんは、すでに発症してから数日経っていることが多いそうです。
たとえば、夏になると夏バテになり、疲れやすくなったり、食欲が落ちたりする人もいます。
その夏バテの背景には「かくれ脱水」が潜んでいるケースも考えられます。
発汗などで体液が減ったり、食欲が落ちたりして体液が減ると消化管への血流も下がります。
そのため消化吸収がスムーズに進まなくなり、栄養素が取れず、疲れやすくなります。
そして消化器の血液量が減ると食欲も減退。食が細くなると、さらに栄養素が足りなくなります。
食べ物から水分と電解質が摂れにくくなるので、体液が減りますます脱水症に近づくという悪循環に陥ります。
脱水症は、炎天下で激しい運動や労働をしたときに起こるだけでなく、さまざまな状況で起こり、その前触れとなる「かくれ脱水」はいつでも起こります。
そのなかでも注意したいのは、①屋内、②夜間、③運転中です。
①屋内
脱水症の多くは屋内で起こります。
マンションのように気密性の高い集合住宅では、風通しが悪く、かいた汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくいため熱中症のリスクが高いとされています。
②夜間も熱中症の危険度が高まります。
暑い季節のコンクリート製の住宅では、昼間にコンクリートにこもった熱が夜間に放熱されるため、気温が上がりやすくなります。
それなのに「夜トイレで起きたくないから」と水分摂取を控えると、発汗が増えて脱水症になりやすいです。
③運転中に熱中症になることもあります。
運転に限らず、熱中症は「物事に”熱中”しすぎるとリスクが上がる」といわれています。物事に熱中しすぎると水分補給が疎かになりやすいからです。
さらに運転中は、トイレに行く回数を減らすため、水分摂取を減らしがちです。窓を閉め切ると風通しが悪くなり、汗が蒸発しにくく、体温も上がりやすくなります。
脱水症対策として、
・こまめな水分補給
・食事から水分補給
・旬の野菜や果物で水分を補給
・水分が不足しやすい起床後や入浴前後、就寝前は意識して水分を補給
これらを意識して、脱水症にならないようにしましょう。