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ヘルシーエイジングのすすめ

「健康寿命」と漢方 認知症、サルコペニア、がん

健康寿命とは

ある80歳代のお客さまが「認知症にはなりたくない、少しでも様子がおかしいと感じたら教えてね」と常々から言われます。

コロナ禍の間に友人が減った、自粛期間中に趣味を失った、外出する機会がなくなり足腰が弱ってしまった、というお声も聞かれます。

一定年齢以降「若い世代の人に迷惑をかけたくないから」と願い、漢方を頼りにされる方が多くなります。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されます。これまでに平均寿命を延ばすことに注力され続けた結果、日常生活に制限のある「健康ではない期間」が増えることになり、あらためて寿命を延ばすだけでなく、健康に生活できる期間「=健康寿命」の底上げへの関心が高まっています。

高齢者特有の病気

1. 認知症

脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になるといわれます。

年をとるほど、認知症になりやすくなります。

2. がん

細胞の遺伝子異常の蓄積が原因であることから、年齢を重ねるほどかかる人も多くなります。

特別な原因がなくても、年とともに新陳代謝や免疫機能が衰えることで自己治癒力や回復力が追いつかなくなり病気が発生するのは自然のことといえます。

「がん」は、生活習慣病として、日常生活に関係が深い病気としても認識されています。

3. サルコペニア・フレイル

サルコペニアとは、「加齢による筋肉量の減少および筋力の低下」のことを指します。

65歳以上の高齢者の15%程度がサルコペニアに該当すると考えられています。

フレイルは、「加齢により心身が老い衰えた状態」で、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれます。

漢方で始める40歳代からの「健康寿命延長」対策とは

アンチエイジングからヘルシーエイジングへ

人はみな年をとります。

ある時期までは「アンチエイジング」(=抗老化)の意識をもっていても、さらに年齢を重ねることを自覚したとき、必ず老化という現象に向き合うことになります。個人差はありますが、一般的に40歳頃から筋力は少しずつ減少し、70歳を超えた頃から自覚症状を認めるようになるといわれます。

一陽館の「ヘルシーエイジング」では、「アンチエイジング」(=対抗する)ことを超えた「スローエイジング」(=積極的に寄り添う)ことをめざします。

健康志向が高まった現代社会では、目的に応じてサプリメントなどを利用することもできますが、漢方では1000年以上前から「未病先防」という考えがあります。

「未病」とは病気の前段階の不調のことで、「先防」とは先回りして防御することです。

「未病先防」は、加齢による体力や抵抗力の低下による弱りや、ドロドロ血や血行不良などによる内臓や血管系のトラブルを未然に防ぐことを目的としています。

対策の基本となる2つのポイントは、「補腎」「活血」という考えです。

「補腎」は生命エネルギーのもとである「精」を生み蓄え、生命維持に必要な水分代謝やホルモンなどの内分泌系を司ります。

そのためには「精」を生み出す「腎」のはたらきを補う漢方薬が効果的です。

「活血」は老廃物を含み劣化した血液を浄化し、循環をスムーズにすることで血管のしなやかさも保たれます。

そのためには「瘀血」を改善する漢方薬が効果的です。

病気ではないうちから不調を改善しておくのも漢方治療の主軸のひとつです。

人によって老化速度にも差があります。

高齢になってから対策を始めるのではなく、元気な時期から自身の「老化リスク」を意識して予防を始めることで健康寿命が延び、結果として生活の質も高まるのではないでしょうか。

ご自身に合った方法で「ヘルシーエイジング」をめざしましょう。

※病気の治療方針は、医師の指示に従ってください。

※漢方の一陽館では「薬局」として、薬と漢方薬の専門家が病気にかかりにくい体づくりをサポートいたします。