漢方大辞典
気管支喘息
2026年7月15日

気管支喘息 は、気道(気管支)に慢性的な炎症が起こり、気道が過敏になることで、咳や喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)、
息苦しさを繰り返す慢性炎症性疾患です。
- 乾いた咳が続く
- 夜中や明け方に悪化する
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音が聞こえる
- 息を最後まで吐けない
- 胸が締め付けられる
気管支喘息の主な要因
1. 慢性的な気道炎症
気道粘膜の炎症、粘膜の浮腫、気道狭窄、粘液分泌増加が起こり息苦しさや圧迫感が出る
2. 気道過敏性
花粉、ハウスダスト、冷気、運動等が原因で発作がおこりやすい
3. アレルギー
体質アレルゲンが侵入するとIgE→肥満細胞→ヒスタミン放出→気管支収縮が起こります
4. 遺伝的要因
家族に、喘息、アトピー、花粉症があると発症しやすくなると言われています。
漢方的にみる気管支喘息の主な要因
1. 肺気虚タイプ
肺は、「宣発・粛降」という働きで呼吸を調節します。肺気が不足すると外邪が侵入しやすくなります。
- 特徴・症状:風邪をひきやすい、息切れ、声が小さい、咳が長引く、汗をかきやすい
- 養生法:過労を避ける、深呼吸をゆっくり行う、乾燥した空気を避ける
- おすすめ食材:山芋、長芋、白米、鶏肉、大豆、なつめ、しいたけ、れんこん、梨(乾燥が強い時)
2. 脾虚痰湿(ひきょたんしつ)タイプ
胃腸が弱ると、余分な水分(痰湿)が作られます。この痰が肺へ上がります。
- 特徴・症状:痰が多い、食欲不振、むくみ、軟便、疲れやすい
- 養生法:食事時間を規則正しくする、よく噛んで食べる、食後すぐ横にならない
- おすすめ食材:山芋、かぼちゃ、大根、にんじん、はとむぎ、小豆、白米、生姜、ねぎ
3. 痰熱壅肺(たんねつようはい)タイプ
黄色い痰や熱感を伴うタイプ。
- 特徴・症状:黄色い痰、粘りの強い痰、ゼーゼー・ヒューヒュー、のどが渇く、胸が苦しい、顔が赤い、熱っぽい
- 養生法:十分な水分をとる、睡眠を確保する、室温を適度に保つ
- おすすめ食材:大根、れんこん、冬瓜、きゅうり、白菜、梨、豆腐、緑豆
季節ごとの養生
春(肝を整える季節)
花粉や黄砂、PM2.5などの刺激物が増え、気道の炎症を悪化させやすくなります。また、寒暖差によって自律神経が乱れ、気管支が過敏になりやすい時期でもあります。「風邪」が肺を侵し、肺気の働きが弱まることで、咳や喘鳴が起こりやすいと考えます。
- 特徴:花粉の時期に咳が増える、ゼーゼー・ヒューヒューする、鼻炎やくしゃみを伴う
- 養生法
- 花粉や黄砂の多い日はマスクを着用する
- 帰宅後は手洗い・うがい・洗顔を心がける
- おすすめ食材:しそ、三つ葉、春菊、セロリ、菜の花、新玉ねぎ、柑橘類(レモン・グレープフルーツ・甘夏)
柑橘類や緑黄色野菜にはビタミンCやポリフェノールが豊富で、抗酸化作用によって慢性炎症の軽減に役立つと考えられています。
夏(炎症と消耗を防ぐ季節)
夏は冷房による冷えや屋内外の温度差、湿度の上昇により自律神経が乱れやすくなります。また、大量の発汗で水分や電解質が失われることで気道の防御機能が低下し、喘息症状が悪化することがあります。
- 特徴:冷房の効いた部屋で咳が出る、湿気の多い日に息苦しくなる
- 養生法
- 冷房の風を直接浴びない
- 汗をかいたら早めに着替える
- おすすめ食材:オクラ、モロヘイヤ、枝豆、冬瓜、きゅうり(食べ過ぎない)、豆腐、山芋、鶏肉
たんぱく質は組織修復に欠かせず、オクラやモロヘイヤに含まれる食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ちます。
秋(乾燥と回復の季節)
秋は空気が乾燥し始め、「燥邪(そうじゃ)」が肺を傷つけやすい季節です。乾燥した空気は気道の粘膜を刺激し、咳や喘息発作を誘発しやすくなります。乾燥による気道粘膜のバリア機能低下が、アレルゲンやウイルスの侵入を受けやすくすることが知られています。
- 特徴:空咳が続く、のどが乾燥する、少量の粘り気のある痰
- 養生法
- 体を潤す食材を取り入れる
- 十分な休養
- おすすめ食材:梨、白きくらげ、れんこん、百合根、山芋、はちみつ、豆乳、ごま
鉄分や葉酸、ビタミンCを組み合わせて摂ることで、貧血予防や疲労回復をサポートします。
冬(冷えを防ぎ血流を守る季節)
冬は寒さと乾燥により気道が収縮しやすく、喘息発作が最も起こりやすい季節です。インフルエンザや風邪などの感染症も発作の引き金になります。
- 特徴:冷たい空気で咳き込む、白くさらさらした痰が増える
- 養生法
- 首・胸・背中を冷やさない服装を心がける
- 十分な睡眠と休養で免疫力を維持する
- おすすめ食材:生姜、長ねぎ、にら、黒豆、黒ごま、栗、鮭、鶏肉、根菜類(ごぼう・にんじん・大根)
一陽館薬局ならではのサポート
気管支喘息は、気温や湿度、花粉、感染症など、季節ごとの環境変化によって症状が大きく左右される病気です。西洋医学でも、アレルゲンの回避、
気道の慢性炎症のコントロール、感染予防、自律神経の安定が重要とされています。
気管支喘息の養生は、咳を止めることだけではありません。
痰をためにくい胃腸、刺激に負けにくい肺、疲れにくい体をつくることが、発作を繰り返しにくい体質づくりにつながります。
一陽館薬局では、咳や痰の状態だけでなく、冷え・疲労・睡眠・ストレス・季節の変化まで丁寧に確認し、その方に合った養生法をご提案しています。
気管支喘息でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、お一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。


