漢方大辞典
胆石症
2026年5月19日

胆石症は、胆嚢や胆管に胆石(たんせき)が形成される病気です。胆石は、胆嚢内で作られる硬い塊で、主に胆汁の成分が異常に結晶化して形成されます。
無症状の場合もありますが、症状が出ると非常に不快で、時には重篤な合併症を引き起こすことがあります。
<胆石の種類>
・コレステロール胆石
最も一般的なタイプの胆石で、胆汁に含まれるコレステロールが過剰に飽和して結晶化し、石を形成します。
主に胆嚢内に形成されることが多いです。
・色素胆石
ビリルビン(赤血球が壊れる際に生じる成分)が過剰に胆汁に溶け出し、その結果として胆石が形成されます。
色素胆石は、主に胆管や胆嚢に現れます。
ビリルビンが関与するため、赤血球の破壊が頻繁に行われる状態(例:溶血性貧血)が原因となることがあります。
- 右上腹部の痛み
- 背中・右肩への放散痛
- お腹の張り・膨満感
- 発熱(胆のう炎)
- 黄疸(胆管閉塞)
胆石症の主な要因
1. 胆汁中のコレステロールの過剰
胆汁に含まれるコレステロールが過剰になると、コレステロールが結晶化し、胆石が形成されます。肥満や高脂肪食、糖尿病などがリスクを高めます。
2. 胆嚢の運動機能低下
胆嚢がうまく収縮しないと、胆汁が滞り、コレステロールが結晶化しやすくなります。このため、胆嚢の運動機能が低下することが胆石症の原因になることがあります。
3. ビリルビンの過剰
溶血性疾患(赤血球が異常に壊れる病気)や、肝臓疾患が原因でビリルビンが過剰になると、色素胆石が形成されることがあります。
4. 遺伝的要因
胆石症は遺伝的な要因も関与しており、家族に胆石症の人が多い場合、リスクが高くなることがあります。
漢方的にみる胆石症の主な要因
1. 肝胆鬱熱
- 特徴:右脇腹の張りや痛み、イライラ、苦味を感じる、脂っこいもので悪化
- 養生法:ストレスを溜め込まない、深呼吸・軽い運動、夜更かしを避ける
- おすすめ食材:春菊、しそ、柑橘類、緑茶⇒香り・苦味を活用
2. 湿熱蘊結
- 特徴:胃もたれ、吐き気、ベタつき、肥満傾向
- 養生法:食べ過ぎを避ける、胃腸を休ませる、汗を適度にかく
- おすすめ食材:はとむぎ、小豆、冬瓜、大根
3. 気滞血瘀
- 特徴:刺すような痛み、慢性化、ストレスで悪化
- 養生法:同じ姿勢を続けない、ウォーキング、入浴で血流改善
- おすすめ食材:玉ねぎ、黒酢、青魚、香味野菜
季節ごとの養生
春(肝の季節):「肝胆が乱れやすい季節」
- 特徴:脇の張り、イライラ、消化不良
- 養生法
- 深呼吸・軽い運動
- 脂っこい物を控える
- おすすめ食材:春菊、しそ、柑橘類
夏(心の季節):「湿熱がたまりやすい」
- 特徴:胃もたれ、吐き気、食欲低下
- 養生法
- 冷たい物の摂りすぎ注意、飲暴食を避ける、水分代謝を意識
- 水分代謝を意識
- おすすめ食材:はとむぎ、きゅうり、冬瓜
秋(肺の季節):「巡りが停滞しやすい」
- 特徴:お腹まわりの張り感、食欲のムラ
- 養生法
- 食べ過ぎ注意夜更かしを避ける
- 夜更かしを避ける
- おすすめ食材:大根、きのこ類、柑橘類
冬(腎の季節):「胆汁停滞・血流低下」
- 特徴:重だるさ、消化機能低下
- 養生法
- 体を冷やさない、運動不足解消
- 温かい食事中心
- おすすめ食材:生姜、根菜類、発酵食品
一陽館薬局ならではのサポート
胆石症は、単に「石ができる病気」ではなく、
胆汁の流れや代謝、消化機能、さらには生活習慣やストレスまで深く関わる疾患です。
西洋医学では、胆汁中のコレステロールや胆汁酸のバランス異常、胆のうの収縮低下による胆汁うっ滞が主な要因とされ、そこに肥満、脂質代謝異常、食生活、女性ホルモン、ストレスなどが複雑に関与すると考えられています。
また近年では、腸内環境や慢性炎症、さらには自律神経の乱れが、胆汁分泌や胆のう機能に影響することも注目されています。
特に現代人は、ストレスによって肝胆の働きが乱れやすく、そこへ脂っこい食事や不規則な生活が加わることで、胆汁がうまく流れず、濃縮・停滞しやすい状態になっています。胃もたれや吐き気、右脇の張りだけでなく、慢性的な疲労感や巡りの悪さ、冷えを伴うことも少なくありません。
一陽館薬局では、こうした西洋医学的な病態理解を踏まえながら、“なぜ胆汁の流れが悪くなったのか”という根本背景を重視しています。
漢方治療は「時間をかけて整える」方法ですが、その分、からだ全体の調和を取り戻すことができます。
胆石症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。


