漢方大辞典

精神的なお悩み

うつ症状

2026年4月13日

気分の落ち込み、不安感、意欲の低下、眠れない、体がだるい、これらは単なる「心の問題」ではなく、体のバランスの乱れと深く関わっています。

  • 気分が落ち込みやすい
  • やる気が出ない、何もしたくない
  • 集中力が続かない
  • 喜びや楽しみを感じにくい
  • 不安感が強くなる

うつ症状の主な要因 

1. 神経伝達物質の異常

脳内の情報伝達を担う物質のバランスが崩れます。主な物質→セロトニン(気分の安定)、ノルアドレナリン(意欲・覚醒)、ドーパミン(快感・やる気)

2. 脳機能・構造の変化

前頭前野(思考・判断)の機能低下、海馬(記憶・ストレス制御)の萎縮、扁桃体(感情)の過活動

3. ストレス(心理社会的要因)

人間関係、仕事・環境変化、喪失体験

4. 視床下部‐下垂体‐副腎系の過剰活性

コルチゾール(ストレスホルモン)→増加脳の機能低下、海馬萎縮

漢方的にみるうつ症状の主な要因

1. 肝気鬱結タイプ

  • 特徴・症状:イライラ、ため息、胸のつかえ、不眠、気分の変動
  • 養生法:深呼吸、ウォーキング、ストレッチで気を巡らせる
  • おすすめ食材:青菜(ほうれん草・小松菜)、黒ゴマ、胡麻油、陳皮、セロリ、ラベンダー・カモミール茶

2. 気虚・脾虚タイプ

  • 特徴・症状:やる気が出ない、疲れやすい、食欲低下、倦怠感
  • 養生法:温かく消化の良い食事で脾を養い、軽い運動で気血を巡らせる
  • おすすめ食材:山芋、大豆製品、鶏肉、根菜類(かぼちゃ・にんじん)、はと麦、もち米

3. 心脾両虚タイプ

  • 特徴・症状:不安感、動悸、眠りが浅い、集中力や記憶力の低下
  • 養生法:温かい食事で血を補い、安眠を意識する
  • おすすめ食材:なつめ、黒豆、レバー、ほうれん草、百合根、牛肉、白きくらげ

4. 腎精不足タイプ

  • 特徴・症状:体のだるさ、将来への不安感、集中力低下
  • 養生法:腰や下腹部を温め、十分な休養をとる
  • おすすめ食材:黒豆、黒ゴマ、クコの実、羊肉、海藻類(わかめ・ひじき)、くるみ、ナッツ類

季節ごとの養生

春(風の季節):「巡らせる」ことが最優先

  • 特徴:ストレスをため込まない→イライラや不安を溜め込むと「肝の気」が滞り、気分の落ち込みにつながります。
  • 養生法
    • 軽い運動で気血を巡らせ、気持ちを明るく保つ
    • 深呼吸・ストレッチでストレスを緩和
  • おすすめ食材:春野菜(セロリ、菜の花、タケノコ)、陳皮、ハーブティー(カモミール、ラベンダー)

夏(心の季節):冷やしすぎない

  • 特徴:冷たい飲食で下腹部を冷やさない→冷えは「心」の働きを弱め、不眠や不安を招きます。
  • 養生法
    • 汗で消耗しすぎないよう注意
    • 朝夕の軽い運動
  • おすすめ食材:冬瓜、きゅうり、緑豆、とうもろこしのひげ茶、はと麦

秋(肺の季節):潤して整える

  • 特徴:乾燥を防ぎ、血の流れを滞らせない→乾燥は気分の沈みや孤独感を強めやすい季節。加湿や白湯を心がける。
  • 養生法
    • 体を潤し血を補うことで、心の安定をサポート
    • 血流とホルモンバランスを整え、気持ちの落ち込みを和らげる
  • おすすめ食材:梨、白きくらげ、山芋、豆乳、はと麦

冬(腎の季節):温めて蓄える

  • 特徴:下腹部・腰を温め、腎を守る→腎の力が弱ると気力が落ち、将来への不安感が強まりやすい。
  • 養生法
    • 睡眠と休養を十分に
    • 腸や下腹部を温める(腹巻や温かい飲食)
  • おすすめ食材:生姜、黒豆、クコの実、山芋、羊肉、ねぎ、黒豆

一陽館薬局ならではのサポート

春の気温や環境の変化が大きいこの時期、気分の落ち込みや意欲の低下、眠りの質の変化など、いわゆるうつ症状に悩まれる方が増える傾向があります。

こうした状態はうつ症状として捉えられ、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランス異常、ストレスによるホルモン系の過剰な働き、さらには睡眠の乱れや慢性的な炎症など、複数の要因が関与すると考えられています。

一陽館薬局では、これらの西洋医学的な視点を踏まえたうえで、うつ症状を「脳だけの問題」としてではなく、全身のバランスの乱れとして捉えることを大切にしています。
たとえば、神経伝達物質の働きも、その材料となる栄養素の不足や消化吸収の低下があれば、十分に発揮されることはありません。また、ストレスによる緊張状態が続けば、自律神経は乱れ、睡眠の質も低下し、回復力はさらに落ちてしまいます。

こうした背景をふまえ、一陽館薬局ではまず「整えるべき土台」に目を向けます。

消化吸収機能を高め、必要な栄養をしっかり取り込める体へ。気や血の巡りを整え、脳へ十分な栄養と酸素が届く状態へ。そして、自律神経のバランスを整え、自然と眠れる力を取り戻すこと。

さらに近年注目されている“腸と脳の関係(脳腸相関)”にも着目し、胃腸の状態を整えることで、間接的に心の安定へとつなげていきます。

うつ症状とひとことで言っても、疲労が強い方、ストレスの影響が大きい方、不眠が中心の方、体質的に繰り返してしまう方など、背景はさまざまです。

一陽館薬局では、お一人おひとりの状態を丁寧に見極め、その方に合ったかたちで整えていく“個別対応”を何より大切にしています。

症状を抑えるだけでなく、本来ご自身が持っている回復する力を引き出すこと。それこそが、一陽館薬局ならではのサポートです。

うつ症状でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。