漢方大辞典

精神的なお悩み

パニック障害

2025年12月26日

パニック障害は、突然起こるパニック発作(急激な不安感や恐怖感)が特徴の疾患です。発作は予期せぬタイミングで現れることが多く、「また起きるのではないか」という不安が日常生活に影響を及ぼすことがあります。単に発作を抑えるだけでなく、体質や心身のバランスを整えることが、症状改善への近道です。

  • 強い不安感や緊張を感じやすい
  • 心配ごとを頭から離せず考え込む
  • 息苦しさや動悸を感じやすい
  • 寝つきが悪く、眠りが浅い
  • 人混みや閉ざされた空間が苦手
  • 疲れやすく気力がわかない

パニック障害の主な要因

1. 脳内神経伝達物質のアンバランス

セロトニン
不安・恐怖・感情の安定を司る。低下すると「不安が抑えられなくなる」

ノルアドレナリン
緊張・覚醒・ストレス反応を調節。過剰になると動悸・発汗・震えが起こる

GABA(抑制系神経)
脳の興奮をブレーキする役割。不足すると不安が暴走しやすい

→ これらのバランスが崩れることで、不安回路が過剰に作動します。

2. 自律神経(交感神経)の過剰反応

パニック発作は、交感神経が突然・極端に優位になる状態です。
本来、交感神経は「危険時」に働く防御反応ですが、パニック障害では危険でない状況でも突然スイッチが入り、「逃げる・闘う反応」が暴走する

3. 扁桃体(へんとうたい)の過敏化

脳の「扁桃体」は恐怖や不安を感知するセンサーです。パニック障害では扁桃体が過敏になりわずかな身体感覚(動悸・息苦しさなど)を「命の危険」と誤認識する
→ これが突然のパニック発作の引き金となります。

4. ストレス耐性の低下

漢方的にみる蕁麻疹の主な要因

1. 肝気鬱結タイプ

・ストレス・怒りやイライラで発作が起こりやすい

  • 特徴・症状:感情の起伏が激しく、動悸や息切れ、胸の張りが起こりやすい
  • 養生法::感情をため込まず発散する、リラックス時間を意識的に作る
  • おすすめ食材:青菜、黒ゴマ、ごま油

2.  心血虚タイプ

・心の栄養不足による不安・動悸

  • 特徴・症状:不安感や動悸、集中力低下、睡眠の乱れが出やすい
  • 養生法:心を休め、睡眠の質を整える
  • おすすめ食材:レバー、なつめ、黒豆、鶏肉

3.  脾胃虚弱タイプ

・消化力不足で体力や気力が低下

  • 特徴・症状:疲れやすく、体が重く感じることが多い
  • 養生法:温かく消化の良い食事で体力を補い、軽い運動で気血を巡らせる
  • おすすめ食材:はと麦(ヨクイニン)、小豆、冬瓜、とうもろこし(ひげ茶)、きゅうり(必ず加熱)

4. 腎虚タイプ

・慢性的な疲労やストレスで生命力が低下

  • 特徴・症状:体力・気力の低下、精神的不安定
  • 養生法:腰や下腹部を温め、十分な休養をとる
  • おすすめ食材:黒豆、クコの実、黒ごま、羊肉

季節ごとの養生

春(風の季節):ストレスやイライラに注意

  • 特徴:春は「肝」の働きが活発になる季節。肝は感情の調整を司るため、ストレスや怒りがたまりやすく、パニック発作の引き金になることがあります。
  • 養生法
    • 深呼吸や軽い散歩で肝の気を巡らせる
    • ストレス発散の時間を意識的に作る
  • おすすめ食材:ほうれん草、チンゲンサイ、セロリ、黒ゴマ、ごま油、陳皮

夏(心の季節):過敏になりやすい神経をケア

  • 特徴:夏は「心」の季節で、暑さや睡眠不足、過度な刺激で神経が過敏になりやすく、不安感や動悸が増すことがあります。
  • 養生法
    • 常温の水分補給と、冷房での冷えすぎに注意
    • 夜更かしを避け、質の良い睡眠を確保
  • おすすめ食材:トマト、冬瓜、豆腐、緑豆、梨、百合根、黒豆茶

秋(肺の季節):乾燥と不安のダブルケア

  • 特徴:秋は「肺」の季節で乾燥が進みやすく、呼吸や精神の安定に影響を与えることがあります。
  • 養生法
    • 加湿や保湿で皮膚の乾燥を防ぐ
    • 呼吸法や軽いストレッチで心身のバランスを整える
  • おすすめ食材:山芋、れんこん、百合根、梨、白きくらげ

冬(腎の季節):エネルギー不足と慢性疲労を防ぐ

  • 特徴:冬は「腎」の季節で、生命力や体力が低下しやすく、慢性的な疲労や心の不安定さが出やすくなります。
  • 養生法
    • 腰・足首・お腹を温め、十分な休養をとる
    • 冷えや過労を避け、体力を回復させる
  • おすすめ食材:黒豆、クコの実、羊肉、山芋、豆乳、黒ごま

一陽館薬局ならではのサポート

パニック障害は、「気の持ちよう」や「心の弱さ」ではありません。
西洋医学では、脳内神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリンなど)のバランスの乱れや、自律神経の過剰反応、恐怖を感知する扁桃体の過敏化が関与する、れっきとした機能性疾患と考えられています。

突然の動悸、息苦しさ、めまい、強い不安感。
「また起きたらどうしよう」という予期不安が、日常生活を縛ってしまう方も少なくありません。
漢方では、パニック障害を一つの病名として捉えるのではなく、ストレスにより自律神経が緊張し続けている状態、不安を抑えるエネルギー(気・血・陰)が不足している状態、体の土台(脾・腎)が弱り、回復力が落ちている状態、など、その方の体が出しているサインの積み重ねとして考えます。細かな体調変化まで丁寧に伺い、パニック障害を引き起こしている体質背景を明確にします。
西洋医学が得意とする「症状のコントロール」と、漢方が得意とする「体質・回復力の底上げ」。この両輪を整えることで、不安に振り回されない日常を少しずつ取り戻すことが可能になります。
一陽館薬局が目指すのは「安心して暮らせる体づくり」
私たちがゴールとしているのは、
「発作が出ないように我慢する生活」ではありません。

✔ 外出や仕事を必要以上に恐れなくていい
✔ 体の変化に過剰に怯えなくていい
✔ 自分の体を信じられるようになる

そんな安心感のある毎日を取り戻すことです。

パニック障害でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。