漢方大辞典
不眠症
2025年12月9日

入眠困難、夜間覚醒、早朝覚醒、熟睡感の欠如が続き、日中の疲労や集中力低下、イライラなど生活に支障を及ぼす状態です。
睡眠症状
•入眠困難
•夜間・早朝覚醒
•熟睡感の欠如
日中症状
•疲労感・倦怠感
•集中力低下
•イライラ・情緒不安定
- ストレスや心配事が多く、考えすぎて眠れなくなる
- 寝つきが悪く、布団に入っても頭が冴えてしまう
- 夜中に何度も目が覚める、または早朝に目が覚めてしまう
- 日中に強い疲労感や倦怠感がある
- 自律神経が乱れやすく、動悸やほてりを感じる
- 胃腸が弱く、食べ過ぎ・飲み過ぎで眠りが浅くなる
- 手足の冷えやのぼせなど体温調整が苦手
- 舌が赤い・苔が少ない(陰虚タイプ)、または舌が腫れぼったい(痰湿タイプ)
漢方的にみる不眠症の主な要因
漢方では、胃腸症状は「脾・胃・肝・腎・気血」のバランスの乱れが関与すると考えます。
1. 心脾両虚(しんぴりょうきょ)タイプ
- 特徴:夢が多い・眠りが浅い・倦怠感・顔色が悪い・食欲不振
- 養生法:脳の過活動(交感神経優位)が続くタイプ→寝る2時間前から“脳の休息”時間:スマホ・PCは控える
頭に血を上らせない→軽いストレッチやぬるめ入浴、過労を避ける - おすすめ食材:黒豆、小豆、米(特に粥)、山芋、百合根、ナツメ、竜眼肉
2. 肝鬱化火(かんうつかか)
- 特徴:イライラ・怒りっぽい・胸や脇が張る・顔が赤い・目が充血・口が苦い・夢が多い・悪夢
- 養生法:自律神経の乱れ、ストレスホルモン過多→メンタルケア、心理的ストレス緩和が重要
- おすすめ食材:ミント、セロリ、トマト、ゴーヤ、緑茶、ジャスミン茶(飲みすぎ注意)、酸味:梅干し、レモンで肝の疏泄を助ける
3. 心腎不交(しんじんふこう)
- 特徴:眠りが浅く、すぐ目が覚める、ほてり・のぼせ、寝汗、耳鳴り、腰のだるさ、40~60代以降に多い
- 養生法:加齢によるメラトニン分泌低下・ホルモンバランス、交感神経過活動が関係→深夜0時前の入眠を心掛ける
冷え対策(特に下半身)、夜は刺激を避け、強い光を浴びない - おすすめ食材:黒ごま、黒豆、くるみ、山薬、枸杞子、豆乳、白きくらげ、味は「やや薄味」で腎負担を軽くする
4. 痰湿阻滞タイプ
- 特徴:起きたときに頭が重い、眠りが浅い、口の粘り、胃もたれ、むくみ、体が重い
- 養生法:消化機能低下 → 迷走神経の働き低下
逆流性食道炎→睡眠の質を下げるので要注意 - おすすめ食材:生姜、ねぎ、はと麦、大根、冬瓜、昆布、温かい汁物、過食を控える(特に夜遅くの食事禁止)
季節ごとの養生
春(肝の季節):ストレスやイライラに注意
- 特徴:春は「肝」が旺盛になり、気が動き出す季節
ストレスで肝の疏泄が失調すると→ イライラ・情緒不安・寝つきが悪い・夢が多い、自律神経が乱れやすい - 養生法
- 気の巡りをよくする → 適度な運動、深呼吸、ストレッチ
- 自律神経の乱れ(ストレス)で交感神経が過活動→朝散歩と軽運動が睡眠ホルモンの分泌を整える
- おすすめ食材:酢の物、柑橘類、梅干し、春菊、三つ葉、菜の花、春菊、三つ葉、しそ、ジャスミン茶
夏(心の季節):夏は「心」が盛んになる時期
- 特徴:心(しん=精神活動)が疲れやすい、熱で体液が不足し、のぼせ・心の落ち着き低下、寝汗・動悸・不安感
- 養生法
- 熱中症気味の“体温調整障害”は睡眠の質を悪化→汗を洗い流して皮膚の熱を飛ばすと眠りやすい
- 睡眠は深部体温の低下がカギ → 寝る前は軽い放熱が重要
- おすすめ食材:きゅうり、トマト、冬瓜、スイカ、白きくらげ、豆腐、ミント、緑豆、麦茶(軽度の心のほてりを鎮める)
秋(肺の季節):乾燥に注意
- 特徴:空気が乾燥し「肺・気道」が弱りやすい、乾燥 → 喉の不快 → 中途覚醒、“悲しみ”の感情が増え、心神が不安定に
- 養生法
- 肺が整う → 気持ちが落ち着く → 入眠がスムーズ
- 朝晩の冷えが“気血の巡り”を悪化し、夢が多い眠りになる
- 秋の乾燥は気道炎症と喘息を起こしやすい→ これが睡眠の質を大幅に低下
- 梨、りんご、白ごま、はちみつ、白きくらげ、豆乳、山芋、長芋、大根・れんこん(肺の熱と乾燥を取る)
冬(腎の季節):腎を養い、深い眠りを作る養生
- 特徴:冬に不眠が起こりやすい理由:冷えが強く、腎陽が弱りやすい、血流低下で体がこわばり、睡眠が浅くなる、日照時間減少 → メラトニンリズムの乱れ不眠に
- 養生法
- 下腹部や腰を温める(腹巻や温かい飲み物)
- おすすめ食材:黒豆、黒ごま、くるみ、長芋、山薬、栗、羊肉、生姜、ネギ(体を温め腎陽を助ける)
一陽館薬局ならではのサポート
不眠症とひとことで言っても、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早くに起きてしまう、眠りが浅いなど、その症状はさまざまです。不眠症は単なる“眠れない”という症状ではなく、自律神経、ホルモン、脳の働き、生活習慣、心理状態、身体の体質など、複数の要因が複雑に絡み合って起こる全身のトラブルです。
一陽館薬局では、丁寧なカウンセリングを通じて体質や生活習慣を見極め、お客様一人ひとりに合わせたご提案を行います。単に「眠れるようにする」ことだけを目的とせず、自律神経やホルモン、胃腸の働きまで含めて全身のバランスを整えることを重視しています。リラックスを促す食材や温める養生法など、生活の工夫も具体的にお伝えしています。薬だけに頼らず、日常生活の中でできる改善を積み重ねることが、一陽館薬局のサポートの特長です。
眠れない夜は、心身からの大切なサインでもあります。一陽館薬局は、西洋医学と漢方の両面から総合的にサポートし、質の良い眠りと健やかな日々を取り戻すお手伝いをいたします。
不眠症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが、一人ひとりの体質と生活に寄り添ったサポートをさせていただきます。


