女性ホルモンとストレスの関係
「最近、気分が落ち込みやすい」
「ちょっとしたことでイライラする」
「生理のリズムが乱れやすくなった」
そんな不調を感じるとき、背景にはストレスと女性ホルモンの変化が関係していることが少なくありません。
ストレスは心の問題だけではなく、体の働きやホルモン分泌にも深く影響します。
漢方では、このような不調を“気(き)・血(けつ)・水(すい)”の巡りの乱れとして捉え、
体の中から整えていくことを大切に考えます。
◎ ストレスがホルモンに影響する理由
人の体は、脳が中心となって自律神経とホルモンのバランスを保っています。
しかし、ストレスが続くとこの調節を行う脳(視床下部・下垂体)が疲れてしまい、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)のリズムが乱れやすくなります。
その結果、
・生理周期の乱れ
・更年期症状の悪化
・肌や髪のツヤの低下
・情緒の不安定
など、心身の不調として現れます。
◎ 漢方でみる「ストレスと女性ホルモンの関係」
漢方の世界では、体と心は切り離せないものと考えます。
中でも「肝(かん)」「脾(ひ)」「腎(じん)」は、ストレスと女性のリズムに深く関わる大切な臓です。
🔹 肝(かん)
「気(き)」と「血(けつ)」の流れをスムーズに保つ働きを担っています。
ストレスや感情の抑圧でこの流れが滞ると、イライラ・怒りっぽさ・ため息が増えたり、月経不順や頭痛、肩こりとして現れることもあります。
肝はまた、「血を蓄える」役割もあり、女性の生理や更年期症状と密接に関係しています。
そのため、肝の働きが乱れるとホルモンバランスも崩れやすくなるのです。
🔹 脾(ひ)
食べたものを消化し、気と血を作り出す源です。
ストレスで胃の調子が悪くなったり、食欲がなくなるのは、脾が弱っているサイン。
脾の力が落ちると体を支えるエネルギーが不足し、疲れやすく、気分の落ち込みにつながります。
🔹 腎(じん)
生命力や成長、生殖をつかさどる臓。
女性ホルモンの土台ともいえる存在です。
加齢やストレス、過労によって腎の働きが弱ると、生理の乱れ、冷え、ほてり、睡眠の質の低下などが起こりやすくなります。
このように、肝・脾・腎のバランスが崩れると、女性ホルモンの働きにも影響が及び、
心と体のリズムが乱れやすくなります。
日々の中で、少しでも心と体をゆるめる時間を持つことが大切です。
• 深呼吸して「吐く」ことを意識する
• 温かい飲み物で内側から体を温める
• 軽いストレッチや散歩で気を巡らせる
• 十分な睡眠と休息をとる
• 自分を責めず、気持ちを休ませる
こうした小さな積み重ねが、滞った「気」の流れを整え、ホルモンバランスを安定させてくれます。
漢方では、ストレスによる不調を“体質の乱れ”としてやさしく整えていきます。
例えば、「肝」の働きをなめらかにして気の巡りを良くする処方や、「脾」や「腎」を補ってホルモンの土台を支える処方などが用いられます。
体の内側からバランスを整えることで、気持ちも自然と穏やかに、女性らしいリズムが戻っていくのです。
一陽館薬局では、お一人おひとりの体質や生活のリズムをお伺いし、心と体の両面からサポートいたします。
「最近、なんとなく気持ちが落ち着かない」「ホルモンバランスが気になる」
そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
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