1. HOME
  2. ブログ
  3. 病気になる前の「未病」は漢方で治す

病気になる前の「未病」は漢方で治す

冷え性、生活習慣病予備軍、不定愁訴~ 

冷え性について

「冷え性」とは

同じ環境にいるのに自分だけ寒さを強く感じる、体の部位により温かさが違う、このような状況は「冷え性」といえるのではないでしょうか。

冷え性は、本来は気温などに応じて機能するはずの体温調節がうまくいかない状態をあらわしています。

「冷え性」の要因

1.「血流」の悪化

そもそも温かさは血液の流れによって全身に運ばれます。

ですから血液が不足したり流れが滞ったりすると血流の偏りに合わせて温かさにも不足や偏りが生じます。

温かさは、胃腸で消化吸収された食物からの栄養をもとにして筋肉や内臓で産生される熱エネルギーによります。

胃腸のはたらきが弱っていたり、偏食や食事制限などで栄養が不足したりすると必要な熱を生みだすことができなくなってしまいます。

「冷え性」は、食事で取り入れた栄養から内臓や筋肉で熱を産生し、血流によって全身に運び、寒い時は皮膚表面の血流を減らして熱の放出を抑え、高温時は、皮膚表面に血液を送って過剰な熱を放出するという「循環のバランス」が崩れた状態といえます。

2.「自律神経」

体温は、脳の視床下部にある体温調節中枢が司令塔となって、熱の産生や放散を加減して調節されていますが、寒いときは体温を上げ、熱がこもると体温を下げようという中枢神経や自律神経のはたらきに不調をきたすと、急に汗をかいたり、寒暖差についていけないなど体調にも異常を感じるようになることがあります。

ストレスや疲労、睡眠不足や不規則な生活などが続き、自律神経のバランスが乱れると、体温調節のしくみが正常に機能しなくなり、体の表面の毛細血管が過度に収縮して冷えのぼせになったり、内臓の温度を保つため手足への血流を減らして末端冷え性になったりして、季節に関係なく「冷え」を感じることになります。

「冷え方」のタイプに応じた漢方治療

「気」「血」「水」のバランスを整えて循環をスムーズにすることが大切です。

身体を温める栄養分である「血」の不足=「血虚」

血行を促す「気」の不足=「気虚」

ホルモンバランスによる「水」のため込み=「水滞」

胃腸のはたらきが弱い=「脾虚」

個々人の冷え方に合った配合バランスの漢方薬をご提案します。

生活習慣病について

生活習慣病とは

食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が要因となる病気のことで「がん」「心臓病」「脳卒中」なども含まれます。

「死の四重奏」という言葉を聞かれたことがありますか?

生活習慣病の中で「内臓脂肪型肥満」「糖尿病」「高脂血症」「高血圧」 が同時に発症している状態のことで動脈硬化の要因とされています。

日本人の死因の上位である心臓病、脳卒中は、危険因子が重なれそれぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることからメタボリックシンドロームといわれます。

*漢方では***

「瘀血(おけつ)」を改善します

「瘀血」とは

酸素や栄養を全身に運んで、身体の機能を保ち、生命を支える役割を担う血液が、汚れたり、粘度が高まってドロドロ状態となり流れにくくなる様子をいいます。

瘀血の状態になると、体全体が酸欠および栄養不足になり新陳代謝が低下し、内臓や脳の働きが悪くなり、全身のさまざまな不調の要因となります。

瘀血例●顔、唇、歯茎の色が暗い 

●皮膚に艶がなく、シミ、アザができる

●肩こり、関節痛、筋肉痛、頭痛 

●思考力低下、物忘れ、イライラ

●子宮内膜症、子宮筋腫、不妊 

●高血圧、高脂血、糖尿病

瘀血が悪化すると、血管をふさいで血液の流れをせき止めてしまい、狭心症や脳梗塞などの重い循環器疾患をもたらす心配もあります。

瘀血になる要因

食事:肉や揚げ物など油っぽい食事に偏ると血液はネバネバに傾きます。

不規則な生活やストレス:血液の貯蔵・循環をつかさどっている肝臓の働きの低下を招きます。

運動不足や過労、冷え:血流が悪くなり瘀血につながります。

瘀血の改善に適した漢方治療

血行を促進し、血の巡りをスムーズにすることが大切です。

血液が滞るのを抑制する作用をもった生薬により、血流をイキイキとさせ瘀血の改善にも効果的です。

不定愁訴について

不定愁訴とは

頭が重い、疲れが取れない、目の奥が痛い、よく眠れないなど、何となく体調が悪いという感覚や自覚症状があるけれど、検査をしても原因となる病気が見つからないものをいいます。

ご自身にしかわからない違和感で、1つの症状が長く続いたり進行していくというよりも、日によって症状が変わったり、感じる場所が違ったり数種類の症状が同時に現れたりすることもあります。

とくに、女性の閉経前後の約10年間、更年期には不定愁訴が多くなります。この時期は女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの変化が原因となり、また生活環境の変化やストレスの多い時期とも重なり、自律神経失調による心身のトラブルが表れやすくなります。症状は、ホットフラッシュ、顔面紅潮、ほてり、のぼせ、動悸、発汗、冷え、脈拍異常、血圧異常、頭痛、めまい、耳鳴り、イライラなどの体調不良や情緒不安定など、個人によってさまざまで「更年期障害」といわれます。

*漢方では***

不定愁訴は1つの原因だけで起こるとはかぎらず、過去からの精神面や身体面の少しずつの無理が積み重なった結果ともいえます。

「気血水」「五臓六腑」のどこがどの割合でバランスを崩しているかを見極めることが大切になってきます。

そのために、漢方相談ではじっくりといろいろなお話を聴かせていただき、一緒にお悩みの出口にピッタリ合う鍵を見つけていきましょう。