かすみ目と更年期

最近、「夕方になると文字が見えにくい」「目がかすむ」「ピントが合いにくい」そんなお悩みを感じていませんか?
「年齢のせいかな」と思ってしまいがちですが、実はこの“かすみ目”は、更年期の体の変化と深く関係していることがあります。
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変わる時期です。
エストロゲンは、肌や粘膜の潤いを保つだけでなく、目の涙や油分の分泌にも関係しています。
そのため、ホルモンの減少により目が乾きやすくなり、「かすみ」「疲れ目」「ドライアイ」などが起こりやすくなります。
また、仕事・家庭・介護などのストレスや睡眠不足が重なることで、自律神経が乱れ、ピントを調節する力にも影響を及ぼします。見えづらさの裏には、体と心の両方の変化が隠れているのです。
漢方では、目の健康は「肝(かん)」と「腎(じん)」の働きに深く関係すると考えます。
これは単なる臓器という意味ではなく、それぞれが体のエネルギーや血液、水分のバランスを司る“システム”のようなものです。
🔹 肝(かん) ― 血を蓄え、目に栄養を届ける
「肝は目に開竅(かいきょう)する」といわれ、肝の働きは目の健康と密接に関わっています。
肝は「血(けつ)」を蔵し、体の隅々に血を巡らせる役割を持っています。
この“血”が不足すると、目に十分な栄養と潤いが行き届かなくなり、
・かすみ目
・乾燥・しょぼしょぼ感
・目の疲れや充血
・夕方になると見えづらくなる
といった症状が現れやすくなります。
また、肝は自律神経や情緒とも関係しており、ストレス・緊張・怒り・我慢などによって肝の「気(き)」が滞ると、血の流れも悪くなり、目がかすむ・痛む・まぶしく感じることもあります。
つまり、「肝の疲れ」=目の疲れでもあるのです。
🔹 腎(じん) ― 生命エネルギーを支え、潤いを守る
「腎」は体の基礎エネルギーを司り、成長・老化・ホルモンバランス・骨・聴覚・視力など、生命活動の根本を支える存在です。
更年期は、この腎のエネルギー(腎精)が自然に減少していく時期。
腎の力が弱まると、
・目のかすみや乾き
・視力の低下
・白髪・抜け毛の増加
・ほてり・のぼせ・耳鳴り
・物忘れ・集中力の低下
などが現れやすくなります。
腎が弱ると潤いを保つ力も落ちるため、目の粘膜が乾き、まばたきしても潤いが戻らないような違和感を感じることがあります。
つまり、更年期のかすみ目は「腎の衰えによる潤い不足」と「肝の血の不足や滞り」が重なって起こることが多いのです。
漢方では、肝は“情緒”、腎は“生命力”と深く関係するといわれます。
そのため、ストレスや不安、忙しさによる心の疲れが、知らず知らずのうちに目の不調として現れることも少なくありません。
単なる視力の問題ではなく、体と心が「少し休ませてほしい」と感じているのかもしれませんね。
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