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指のこわばり

朝起きたときや長時間同じ姿勢をとったあとに、指がこわばって動かしにくいと感じる方も多いことと思います。年齢を重ねてから起こりやすいイメージがありますが、実際には若い方や男女問わず起こる症状です。

指のこわばりは、関節リウマチなどの病気が背景にある場合もありますが、必ずしも大きな病気に直結するわけではありません。

漢方では、指のこわばりは単なる関節の不具合ではなく、体内のバランスの乱れが反映されたサインとして捉えます。特に関係が深いのは「肝(かん)」「腎(じん)」「脾(ひ)」の働きで、それぞれが弱まったり滞ったりすることで症状が現れると考えられます。

1. 肝の働きと気血の巡り
肝は「血を蔵し、筋を主る」とされ、血流や筋肉・関節の柔軟性を保っています。ストレスや感情の抑圧で「肝気」が滞ると、気血の流れが悪化し、指先に十分な栄養が届かず、こわばりやしびれを感じやすくなります。

特徴:ストレスで症状が悪化、気分の浮き沈み、イライラ、不眠を伴うこともある。

2. 腎の衰えと関節の老化
腎は「骨を主り、髄を生じ、成長や老化を司る」とされます。腎の力が不足すると、骨や関節が弱り、動かしにくさやこわばりが出やすくなります。加齢による指の不調は、この「腎精不足」によるものと考えられます。

特徴:腰や膝のだるさ、耳鳴り、白髪や抜け毛が増える、慢性的な疲労。

3. 脾の働きと水湿の停滞
脾(消化吸収を司る)が弱ると、栄養がうまく全身に行き渡らず、余分な水分が関節に溜まりやすくなります。これが「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる状態で、むくみや重だるさを伴う指のこわばりにつながります。

特徴:関節の腫れや違和感、体が重い、胃腸が弱い。

4. 瘀血(おけつ)の影響
血の流れが滞ると関節周囲の組織に栄養が届かなくなり、冷えや痛み、こわばりを引き起こします。慢性のこわばりや、関節が硬く感じる症状は瘀血によるものが多いとされます。

特徴:痛みが固定的、夜間や冷えで悪化、顔色や唇が暗い。

5. 寒邪(かんじゃ)の影響
外から入る「冷え」が関節に停滞すると、血行が妨げられ、指が動かしにくくなります。冬場や冷房の環境下で症状が強く出やすい方は、寒邪の影響が大きいと考えられます。

特徴:冷えると悪化、温めると楽になる、関節が重だるい。

このように、西洋医学的には「血流障害」「炎症」「ホルモン変化」などが注目されますが、漢方では「肝・腎・脾の機能低下」「瘀血や寒湿の停滞」など、体質や生活背景に基づく原因を重視します。そのため、一人ひとりの体の状態を丁寧に見極めることが大切です。

<日常生活でできるホームケア>
冷え対策
‥→温かい手袋やカイロで手先を守るだけでなく、漢方茶(生姜紅茶、桂皮を加えたお茶など)で体の内側から温める。

血流改善
‥→指のストレッチや手首の回旋運動に加え、血流を助けるとされる黒豆・なつめ・くこの実を普段の食事に取り入れる。

水分代謝の調整
‥→関節がむくみやすい方は、利水作用のあるハトムギ茶やとうもろこしのひげ茶を取り入れる。

食養生
‥→体を温める食材(生姜、ねぎ、シナモン)、血を補う食材(黒ごま、プルーン、ほうれん草)、気を養う食材(山芋、豆類)をバランスよく摂る。

休養とリズム
‥→睡眠不足や過労は巡りを乱す大きな要因。就寝前には白湯を飲んで体を温め、心を落ち着ける習慣を。

漢方薬の活用
‥→血流を整える漢方薬、冷えを改善する漢方薬、体力を補う漢方薬など、体質に合わせた処方で根本的な改善を目指すことができます。

一陽館薬局では、カウンセリングを通して、お客様の体質や生活習慣を見極めた上で、最適な漢方薬をご提案しています。単に「指のこわばり」という症状を見るのではなく、心身の全体像を大切にしながらサポートいたします。

生活習慣の工夫と漢方の力を合わせることで、指のこわばりは少しずつ軽くなる可能性があります。「年齢のせい」と諦めず、体質改善を通じて健やかな日々を取り戻してみませんか。

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