眠気に襲われる「ナルコレプシー」とは

会議中や商談の最中に、突然強烈な眠気が襲ってきて頭がぼんやり…。
一方で夜になると、ベッドに入ってもなかなか寝つけない。そんな経験はありませんか?
「眠気=怠け心」と捉えられがちですが、実は意思や気合いではコントロールできない眠りの問題が潜んでいる場合があります。その代表的なものが「ナルコレプシー」と呼ばれる睡眠障害です。
<ナルコレプシーとは?>
睡眠は脳の休息や記憶の整理など、私たちの体と心に欠かせない営みです。漢方の考え方では、質の良い眠りは「腎(じん)」の働きを助け、成長や老化とも深く関わるとされています。
しかし、日中に突然強い眠気が繰り返し起こり、自分では制御できないほど眠り込んでしまう症状があります。これが「ナルコレプシー」です。
厚生労働省によると、脳内で覚醒に関わる神経伝達物質「ヒポクレチン」を作る神経細胞が働かなくなることが原因とされています。
この症状は仕事や学業に大きな支障をきたすだけでなく、運転中に起こると事故につながる危険もあるため、軽視してはいけません。
<ナルコレプシーの主なチェックポイント✔>
以下のような症状に心当たりがある場合、ナルコレプシーの可能性が考えられます。
☑ 会議や授業中など、重要な場面で強烈な眠気に襲われる
☑ 驚いたときや大笑いしたときに力が抜ける感覚がある
☑ いつの間にか居眠りしてしまうことが多い
☑ 夜、入眠前に金縛りや幻覚のような体験がある
☑ 日中の眠気をコントロールできない
一つでも当てはまる場合は、一度ご相談ください。
<漢方で考える「眠り」と気血のバランス>
漢方では、眠りは「気血(きけつ)」のめぐりと深い関わりがあるとされています。赤ちゃんがよく眠れるのは、気血が十分に充実しているからです。
しかし大人になると、仕事や人間関係のストレス、生活リズムの乱れなどによって気血の流れが滞りやすくなります。その結果、体に余分な熱がこもり、脳の疲労を招き、睡眠障害につながることもあるのです。
<睡眠を助ける漢方処方例>
◎心の高ぶりを鎮めたいときに
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
→プレッシャーや不安で眠れない方に向く処方。気の流れを整え、心の落ち着きを取り戻します。
◎神経がたかぶりやすく胃腸が弱い方に
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
→イライラや情緒不安定を和らげ、自律神経や消化機能を整える働きがあります。
ナルコレプシーは決して怠け心からくるものではなく、体の仕組みが深く関わる睡眠障害です。しかし、スマホやPCを通じて常に大量の情報にさらされている現代でもあり、知らず知らずのうちに脳が休まらず、不眠や不安を悪化させていることも少なくありません
就寝前はSNSやニュースから離れ、静かな音楽を聴く、照明を落とすなど、心が落ち着く環境を整え、「心を休める習慣」をつけていきましょう。これも漢方的な「気を整える」工夫の一つです。
“頭がスッキリしない‥”
そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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