寝汗がびっしょり

「朝起きたら、パジャマや枕がぐっしょり濡れていた」
「眠っている間に大量の汗をかいて、途中で目が覚めてしまう」
そんな“寝汗”に悩まされていませんか?
エアコンをつけて寝ているのに汗をかく。
熱があるわけでもないのに、夜だけじんわり汗をかいてしまう…。
それは、「脾虚(ひきょ)」が関係しているのかもしれません。
🔸脾虚ってなに?
中医学でいう「脾」は、現代の脾臓とは違い、消化吸収や水分代謝、気血の生成を担う大切な臓腑です。
“食べたものを消化し、栄養を運び、水分をうまく処理する”のが脾の役割。
しかし、冷たい飲食・過労・ストレス・運動不足などによって脾が弱ると、「脾虚(ひきょ)」と呼ばれる状態になります。
この脾虚の状態では、体の内側から温める力が弱まり、気や血も十分に作れなくなります。
その結果、汗のコントロールもうまくいかなくなるのです。
<脾虚による寝汗の特徴>
脾虚タイプの寝汗には、次のような傾向が見られます
・じんわりと軽い汗が続く
・汗とともに疲れも強く感じる
・お腹が冷えやすい、または下痢をしやすい
・食欲不振、胃もたれ、むくみがある
・日中もだるく、エネルギーが湧かない
このような症状がある場合、汗を止めることよりも、まず脾の力を補うことが大切です。
🔸なぜ寝ている間に汗が出るの?
本来、汗のコントロールは「衛気(えき)」という体の表面を守るエネルギーが担っています。
脾が虚してこの衛気が弱まると、汗腺を閉じる力がなくなり、寝ている間にじわじわと汗が漏れてしまうのです。
しかも脾は「湿」に弱いため、湿気の多い日本の夏は、脾虚が悪化しやすい季節でもあります。
脾虚タイプの寝汗には、
・脾を補ってエネルギーを増やす「健脾益気(けんぴえっき)」
・身体の余分な水分をさばく「利湿(りしつ)」
・汗の出口を閉じる「固表(こひょう)」 といった処方の考え方があります。
漢方では、体質や症状に応じた対応が基本ですが、あくまで一例として「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが用いられることがあります。
🔸普段の生活でできること
・冷たい飲み物を減らす
・胃腸を温めるような食事を(例:雑炊、生姜スープなど)
・湿気対策に除湿器や布団の風通しを
・軽い散歩などで脾の働きを刺激する などの工夫が効果的です。
寝汗はただの生理現象ではなく、体が出している“サイン”の一つ。
とくに脾虚タイプは、「疲れやすい」「冷えやすい」「胃腸が弱い」といった体質と結びついていることが多く、見過ごすと慢性的な不調にもつながります。
「寝汗が気になる」「なんとなく体がだるい」
そんなときは、ぜひ一度、ご相談ください。
漢方では、あなたの体質に合わせたやさしいケアが可能です。どうぞお気軽にご相談くださいね。
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