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夜中のくいしばり

あなたも、こんな経験ありませんか?
 ・ふと気づくと、上下の歯をギュッと噛みしめている
 ・朝起きたときにあごが疲れている
 ・仕事中やスマホを見ているとき、つい奥歯に力が入ってしまう――

このような“歯の食いしばり”は、現代では珍しくないお悩みです。
若い方からご年配の方まで、年齢に関係なく起こる可能性があります。

「クセだから仕方ない」と思っている方も多いかもしれませんが、寝ている時は無意識に、心や身体が日中の緊張やストレスを発散しようとしているのかもしれません。

中医学では、歯の食いしばりはただの“クセ”ではなく、気・血の流れや五臓六腑のバランスの乱れと捉えます。
特に関わりが深いのが、肝(かん)・腎(じん)・心(しん)の3つの臓腑です。

◆ 肝のはたらきと「気滞(きたい)」
肝は、気の流れと情緒のバランスを整える役割を持ちます。
肝の働きが乱れると、気がうまく巡らなくなり「気滞(きたい)」という状態に。
この状態では、
 ・無意識に筋肉がこわばる
 ・イライラや焦燥感
 ・ため息が多い
といった症状が現れ、結果として歯をくいしばるクセがついてしまうことがあります。

→ 対処法:気の巡りを整え、緊張をゆるめる処方を使います。
 よく使われる処方:加味逍遙散(かみしょうようさん)など

◆ 腎のはたらきと「虚火(きょか)」
腎は、生命力の源を蓄える臓腑で、成長・老化・生殖・骨・歯などとも深く関係しています。
腎が弱ると、身体の“熱を冷ます力”が不足し、いわゆる虚熱・のぼせ・ほてりの状態が出やすくなります。
この内側からの“熱”が、夜間の食いしばりや睡眠の質の低下につながります。

→ 対処法:腎を補い、余分な熱を鎮める処方を使います。
 よく使われる処方:六味地黄丸(ろくみじおうがん)など

◆ 心のはたらきと「神の不安定」
東洋医学における「心(しん)」は、現代でいう心臓ではなく、精神活動を司る中枢。
心のバランスが崩れると、「神(しん)=心神」の不安定状態が生まれ、
 ・緊張しやすい
 ・よく夢を見る
 ・不眠や眠りが浅い
 ・不安感や動悸
といった症状が現れます。食いしばりや歯ぎしりもその一種と考えられます。

→ 対処法:心を養い、気持ちを落ち着かせる処方を選びます。
 よく使われる処方:酸棗仁湯(さんそうにんとう)など

歯の食いしばりを“やめよう”と意識するだけではなく、身体の内側から緊張をゆるめていくことが根本的なケアにつながるのです。

漢方薬に加えて、
 ・香りや深呼吸で「気」を巡らせる
 ・夜はゆっくりお風呂に入って「肝」をゆるめる
 ・寝る前のスマホを控えて「心神」を休める
など、生活の中でも無理のないケアを意識してみてください。

食いしばりだけでなく、肩こり・疲れ・眠りの質などが気になる方も、どうぞお気軽にご相談くださいね。

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