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汗かき=代謝がいい?その誤解、見直してみましょう

「私、すごく汗かきなんです。代謝がいいってことですよね?」
お客さまから、よくこんなお話を伺います。たしかに、汗をかくことは一見、エネルギーの巡りが活発なイメージにつながるかもしれません。でも、中医学の視点で見てみると、「汗をかく=代謝が良い」とは限らないのです。

誤解されがちな“汗”と“代謝”の関係について、漢方的な観点からお話ししてみたいと思います。

汗は「津液(しんえき)」と呼ばれる体の水分から作られます。その汗をコントロールするのが「気(き)」という体のエネルギーです。

健康な状態では、必要なときにだけ適量の汗をかき、不要なときには汗を止める。このコントロールが自然にできるのが理想です。しかし、「気」の働きが弱くなると、体は汗を“うまく止められない”状態になり、ちょっとした刺激でダラダラと汗をかいてしまうことがあります。
つまり、「よく汗をかく=気が充実している」とは限らず、気虚(ききょ)=気の不足によって汗が漏れ出してしまっている場合もあるのです。

一方で、「代謝がいい」とは、エネルギーの巡りがスムーズで、老廃物の排出もきちんとできている状態を指します。東洋医学では、これを「気・血・水(きけつすい)」の巡りが整っている状態とも言えます。

本来の意味での「代謝がいい人」は、無駄な汗をかかず、必要なときに必要なだけ汗をかく体質です。肌のツヤがよく、手足が温かく、疲れにくい。これは「気・血」がしっかり巡っている証拠です。

では、どうして「汗かき=代謝がいい」と思われがちなのでしょうか?

たとえば運動後に気持ちよく汗をかいたときは、たしかに代謝が高まっている状態です。しかし、何もしていないのに大量に汗が出る、夜寝ている間に汗びっしょりになる、ちょっと緊張しただけで汗が出る――こうしたケースは、体のバランスが崩れているサインかもしれません。

こうした「日中にダラダラ汗が出る」「夜寝ている間に汗をかく」といった状態は、それぞれ「自汗(じかん)」「盗汗(とうかん)」と呼ばれています。

これは、体のエネルギーや潤いのバランスが崩れているサインと考えられていて、
たとえば…
◎体のエネルギーが不足していると、汗をうまくコントロールできなくなってしまう(=気虚)
◎体の中の潤いが足りなくて熱がこもると、寝ている間に自然と汗が出てしまう(=陰虚)
◎体に余分な湿気や熱がたまっていると、部分的に汗をかきやすくなる(=湿熱)
◎いつも手足にじっとり汗をかく人は、胃腸が弱く、余分な水分をためやすい(=脾虚)

このように、汗のかき方ひとつにも、体の内側の状態が表れているのです。

「汗っかきだから私は健康!」と思っていた方は、ぜひ一度、その汗の出方・タイミング・量・質に目を向けてみてください。
実は、体が「ちょっと助けて」とサインを出しているのかもしれません。
漢方では、体質を整えることで、汗のコントロール力(=気の力)を取り戻していきます。

ちょっとした体の違和感から、自分の体質を知るヒントはたくさん隠れています。
「なんだか汗のかき方が気になるな」という方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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